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本当なら逢えるのは明日だった。
なのに、急に現れたお前。普段は至って常識人なのに、時々想いも依らない行動をする。
「……来ちゃった」の言葉とお前の笑顔が、俺にとってどれだけの破壊力があるのか…………
お前は想像したこともないだろうな……
それに喜んで振り回されて、仕事を慌てて片付けると部屋に連れて帰って来た。
玄関でもう我慢が出来ずに、奪うように始めたキス。
甘い刺激が身体中を駆け巡る。絡み合う舌がほどけるのが嫌で止まれなかった。
お前を俺で、俺でお前を満たしたい……
衝動は抑えられず、お前をベッドまで運んだ。
「まっ………待って、シャワー浴びたい」
「だめ、無理、待てない」
いつもはどんな願いだって叶えてやりたいけど、こんなのどうしたって無理だ。
シャツをたくしあげて久しぶりに触れる肌。手に吸い付くように俺を誘うその肌を、一時でも離せるわけないだろう………
もう一度口づけようと見つめたお前の瞳が、いつもより妖艶に俺を誘った。
ああ………このまま抱いたら……
「……シャワー、俺が先でもいい?」
やっとの思いで伝えて、慌ててバスルームに入った。
少しぬるめのシャワーを浴びて、頭を冷やす。
あのまま抱いてたら……
俺の欲望が、お前をめちゃくちゃにしたかも知れない。
大切で愛しいお前を、時々壊したくなるほど俺でいっぱいにしたくなる。
それはお前が泣いても止められなくなりそうなほどの熱い想い。
必死で冷まそうとすればするほど、身体の中心に熱は集まっていく。
「はぁ……」
自分で触れるだけで、吐息が漏れるほど……
正面の鏡に腕をついて目を閉じると、後ろでバスルームの扉が開く音がした。
背中に何かが触れる感触がして、すぐに俺の腹に回った腕。
「……一緒に浴びてもいい?」
「嫌だ」なんて言うはずもない質問。
抱き締めたくて振り返ろうとした俺を止めるように、お前の手が俺の身体を滑る。
「……フフ…久しぶりの感触」
………この小悪魔
俺の我慢なんて知りもしないで………
胸に触れていた手が下に降りて、熱くなった場所に触れる。
「……っ」
感触を確かめるように触れたその手に、俺の理性が弾けてとんだ。
身体を捻ると、お前の頭を抱えるように唇を奪う。
「……ぅ……んん……ぁっ」
息つぎの間も与えることすら出来ずに、貪るように絡み合う舌。
もう片方の手でお前の腰を引き寄せると、俺と同じように熱く高ぶった熱が重なりあった。
擦れるように身体を動かすと、お前の身体が崩れ俺にもたれ掛かる。
「もう遠慮はしないからな」
一瞬、唇を離し伝えると
「……僕も」
そう言ってお前の口角が上がった。
………愛しい小悪魔だな
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