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喉の渇きで目覚めた朝。 長い手足が僕の身体に巻き付いている。懐かしいその重みが愛おしい…… シャワーでふざけ合って、お互いの髪を乾かすのも途中で投げ出して、縺れるように入ったベッド。 いつもより念入りにあなたに解され、やっと繋がれてから僕の意識が遠退くまで、ずっと声をあげ続けた。 「………ん…っん」 声が上手く出ないよ……… 嬉しい後遺症に、あなたの頬に手を伸ばした。包み込むように頬に触れあなたを確かめる。 「愛してる」小さく囁いて自分の声が渇れてるのに驚いた。 ……何か飲みたい 僕はあなたを起こさないように、そっと腕をどかしてベッドを出た。 キッチンまで行き冷たい水を飲み干す。 「……はぁ」 この気だるい感じも久しぶり…… 僕って簡単な生き物なんだな…… あなたに愛された………それだけで心が満タンになる 寂しさも、苦しさも……すっかり忘れてしまう 「……さむ」 まだまだ冷える朝。もう一度あなたの温もりに包まれようと部屋に戻ると、僕が抜け出した状態のまま熟睡している大きな背中。 ………あの跡は………僕の爪? あなたにも残る嬉しい後遺症…… 「……よく眠ってる」 思わず上がる口角。たっぷり愛してくれたあなたを起こすのは可哀想で、僕はバスルームに向かった。 二人の名残をシャワーで流し、身体を拭く。 こんな朝は自分の身体が愛おしく感じるって、あなたは知ってるかな…… ………そうだ 僕は洗面台の棚を開けた。 ここにあった…… あなたが僕の代わりに持ってきたボディクリーム。 「…フフ…少し減ってる」 本当に、このクリームを塗って眠ったのかな…… 自分の居ないあなたの生活。さっきは想像して凄く寂しくなったのに、今はあなたの生活に自分を見つけて嬉しくなってる。 離れてるけど………僕がいる クリームをいつものように身体につけて、僕はバスルームを出た。 シャワーを浴びて少し温かくなった身体で、あなたに寄り添う。 すぐに気付いたあなたが、僕を抱き締めた。 「…………やっぱりお前がつけてるから、いい香りなんだな」 僕の首筋に鼻をつけて話すから、くすぐったくて身体をよじった。 そのまま唇が押し付けられる。 香りを唇で感じてるの?満足そうに鼻がくんくん動いたと思ったら、あなたの唇が動き出す。 …………まさか あなたの指が、あなたを受け入れる場所に触れた。 「……ねぇ…ぁ…もう無理だよ……ン」 抵抗する言葉は唇で抑えられた。 「……まだ………とろとろだ…」 嬉しそうに囁くあなたの中心が、腰に当たって続きを迫ると、僕の身体の奥がまた疼きだした。 甘い香りが二人の熱で溢れだす。 ………また声が渇れるかも 二人だけで過ごす優しい休日。今は何も考えずあなたに溺れよう………
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