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真新しいベットでシーツにくるまって微睡む時間。 重さを感じたくて、わざとお前を胸の上に引き上げた。 薄目を開けて、少し口角を上げたお前の身体を指でなぞる。 「……フフ…くすぐったいよ」 身を捩るお前を抱き締めて、幸せを実感する。 「……喉が渇いた」 さっきまで、愛しい鳴き声をあげていたから、少し渇いた声。 「……ぬるくなっちゃったけど飲むか?」 床に置いてあったペットボトルに手を伸ばそうとすると、腕ごと引き戻された。 「…ん?」 「……離れないで」 甘い掠れた声に、また身体の芯が熱くなる。そっと髪に唇で触れ抱き寄せた。 「……離れないけど、その声は喉が可哀想だ。少し飲んで」 片手で抱いたまま水を取ると、身体を起こして口に含んだ。 お前の顎を掬い、口移しで水を飲ませる。 こくんと音を立て、白い喉を動かすお前。妖艶な瞳で俺を見つめたあと、「ぬるい」と言って顔を歪めた。 くるくると変わるお前の表情に、愛おしさがどんどん溢れていく。でも、あまりがっつくと後で怒られそうだ。 気持ちを切り替えようと、もう一度水を飲んだ。 「……冷蔵庫買わなきゃな」 やっぱりぬるい水に本気で思う。ベットさえあれば、そう思っていた自分が可笑しくなる。 「……うん…洗濯機も」 「……確かに…」 シーツを指差して言うお前を見て、二人で声を出して笑った。 「……あとは、何が欲しい?」 「……うーん。ソファにテーブル、それと……」 起き上がって部屋を見渡しながら話すお前が、嬉しそうで楽しそうで……… これから始まる2人の暮らし。 お前といる時間を一秒も無駄にしたくない、そう思った俺の選択は間違いじゃなかった。 「……キッチンも何もないよね?」 そう言ってベットを抜け出そうとするお前を、もう一度引き戻す。 愛しい身体をベットに沈めると 「……離れないで」 今度は、俺からのお願いに花のように微笑んだ。
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