ささやかな雨音のような

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映画の内容は痛快コメディだった。前作を夫に薦められて以前見ていて、実写コメディがこんなに面白いのかと思わされたものだった。夫はコメディやお笑いに詳しかった。それは、あの彼とはきっと絶対話さないもの。知ることは楽しい。好きが増えるのは嬉しい。夫は私の喜ぶことをいつだって考えてくれる。 こんなに幸せが溢れているのに、ふとした時に過ぎる彼のことをどうしたらいいのだろうか。 誰にも話さない秘密みたいなものなのだ。話したところで本当に何もしていないのだからいいのだけど、良心は痛む。けれどもし、こんなにも幸せな生活が破綻したら、私はきっとまた彼との情事を始めるのだろうと思っている。彼がそれを拒まないだろうことも、なぜか確信している。
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