コップフキーノ

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 白雨。コンビニでビニール傘を買った。ワンコイン先の出費が月末の財布を苦しめる。 たまたま取れた平日休みはウィンドウショッピングで安くあがるはずだったのに。ベランダから見えた景色に騙された。いや、いかにも元運動部体貌の気象予報士を信じなかった罰かも。学生時代の苦手な同級生に似ていたからと、それだけで馬鹿にした罰だ。 ふくらはぎに沿ってスカートの裾が萎れていく。ビニールを叩く雨粒の嘲笑に包まれる。いつからか、雨音が嫌いになった。特に傘の中で聞こえる音だ。どっちつかずの空模様は私と同じ。でも嫌、同族嫌悪、たぶん。 もうこのまま帰ってしまおうか。ううん、それもなんとなくもったいない。傘の値段分は歩かなきゃ。と思ったのに。歩いても歩いても、冷えていく足の甲と広がる髪を携えて入りたくなる店はない。新しい建物が多い通りには高級感や丁寧な暮らしをごり押しする店ばかり。 俯くのをやめたいのに、雨にうたれる紫陽花の葉よりも深く肩を落とす。
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