4 このままじゃいられない

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『千裕、明日会える?』 たったそれだけの文章を打つのに、とてつもない時間がかかった気がする。 送信をタップしようとする指が震えていた。 これを触れば、もう事態は進んでしまうのだ。 後戻りは出来ない。 ゴクリと唾を飲み込む音が、樹里の中に響いた。 明日は、いつも通り会うだけ。 いつもよりもちょっとだけ、彼を観察する。 朱莉じゃないけれど、はぐらかされるわけにはいかないから。 もう時間はない。 千裕との六年が消えたっていい。 きっとそう思っていなければ、大事なことは見えないのだろう。
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