4 このままじゃいられない

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樹里は覚悟を決めて、送信をタップした。 大きく深呼吸をしてみる。 意味などない。 ただ内に籠もった黒いものを吐き出せるような気がしたからだ。 鞄にしまおうとした携帯が震える。 心が、ピリリと信号を鳴らした。 『本当?』 『明日で仕事は大丈夫?』 いつものようにこちらを気遣うメッセージ。 千裕らしいと思うのに、胸が酷く疼いた。 彼が嘘を吐いていないのならば、明日は何てことない一日になるだけだ。 ケラケラ笑いながら、楽しく指輪の話でもすればいい。 それだけじゃないか。
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