4 このままじゃいられない

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「ブンタっていうのね。いいお名前ね」 顎の下へ、そっと手を伸す。 ブンタは嬉しそうに大きく尻尾を振った。 それが可愛くて、何だかホッとして、涙が出そうだった。 こんな締め付けられた心を、この子は分かっているのかも知れない。 撫でている手を体に伸ばすと、また一段と気持ち良さそうな顔をする。 感じる温もり。 それが今夜は、本当に身に染みる。
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