5 そして、口を開いた。

1/17
前へ
/612ページ
次へ

5 そして、口を開いた。

いつもの公園で待ち合わせをして、いつもと変わらないように過ごした。 宝飾店へは近づかないように気を付けたが、それ以外は普通に出来たと思う。 カフェに入って、向かいに座る。 コーヒーを頼んで、今日も暑いね、なんて他愛もない話をして笑った。 なんてことない、いつもと同じ時間。 平和に時が流れすぎて、本題を忘れてしまいそうになる。 二人の目前に、コーヒーが並ぶ。 ごゆっくりどうぞ、と店員が離れた瞬間、樹里の中に盛大なゴングの音が鳴り響いた。
/612ページ

最初のコメントを投稿しよう!

213人が本棚に入れています
本棚に追加