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「店には一人で行ったんだけどさ。でも、皆に相談したの。だから、全部一人ってわけじゃないんだ。ごめんね」
「皆って?」
「あ、ほら。樹里の誕生日の前の金曜日。俺、同期会で箱根に行ったじゃん。その時にさ、どうだろうって相談して。帰って来てから、土曜の夜に買いに行ったんだ。本当に助かったよ。皆、調べたりしてくれてさ」
それは覚えている。
千裕が同期会に行った二十二日金曜日の夜。
樹里は美食会という社内サークルで、イタリアンバルにいた。
皆で食事を囲みながら談笑していた時に、彼から写真が送られて来たのだ。
懐かしい同期の顔に、老けたなと顔を綻ばせ、お姫様のようにど真ん中に陣取った香澄に苛ついたんだった。
あぁその時か。
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