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プロローグ 幸せのジングルベル
「また今年もこの曲?」
「そりゃそうだよ。これはさ、俺が樹里に告白しようって時に、背中を押してくれた曲だぞ」
「それはまぁ、ありがたいねぇ」
「だろう?」
部屋には陽気なジングルベルが鳴っている。
外国のおじさんの弾んだ声と、代わるように歌い始める女の人の声。
どうしてこの曲が好きなのか知らないが、クリスマスの時期になると必ず聴かされている。
これでなくても、クリスマスソングなんて山のようにあるというのに。
彼は、このオーソドックスな古い洋楽が良いのだと言う。
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