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第12話
翌朝になり、朝食の準備を始める。
「おはよう。今日午前中リモートにしたから家のことやっておくよ」
旦那の寝惚けた顔を見て、自分の顔が赤くなっていくような気がした。
「ありがと。洗濯物溜まってると思うからそのあたりを片付けておいてくれると嬉しいかな」
昨日書き出したメモを思い出しつつ、目の前にある現物(旦那)と脳内で合成してみる。
家でのメガネ姿に見慣れているせいかメガネキャラで考えてしまうことが多かったが、軽くメイクするだけでもカッコ良く仕上がりそうだよなぁ……
「そんなジロジロ見てどうした?目ヤニでもついてる?」
しまった。普通に顔見すぎた。
「目と鼻と口がついてる」
「そりゃそうだろ。というか準備大丈夫か?」
手元をに目線を移すと、黒に侵食されたベーコンだったものがフライパンの上に鎮座していた。
「……ごめん。目玉焼きだけ焼くからそれで許して」
完全にやらかしてしまった。
「やっておくから出勤の準備してくれば?終わる前にはできてるだろうし」
「……助かります」
浮き足立ったまま準備はするものではないな。一度頭冷やそ。
無駄になった黒い塊の処理などを丸投げして、出勤の準備に取り掛かった。
着替え終わりビジネスメイクを整えているころ、「先出るよ」と玄関から声がした。
ありがとーと流れで叫び、ベースが仕上がったくらいの状態でリビングへ足を向けた。
テレビのワイドショーの音をBGMにして朝食を食べ進める。
今日はなるべく仕事しないようにしよう。心に決めてから玄関を開けた。
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