3人が本棚に入れています
本棚に追加
第六話
風呂上がりのヨメは、変わらず制服姿だった。
なんなら黒タイツとかいう属性増やしてきやがった。
どっかのお笑い芸人の掴みだったら興奮してきたなとか普通のテンションで言うやつだ。
「ジロジロ見ないで」
すんません。可愛いもんで目が離せないんですよ。
沈黙させるまいとヨメは口撃を続ける。
「待ってるから、シャワー早く行って。ずっとこの格好も恥ずかしいんだからね?」
「はい。すぐ行ってきます」
ここは素直に従属しておく。風呂上がりに待つは天国でございますから。
でも、部屋着に着替えるべきか?それとも汗臭いかもしれないがスーツ姿の方がいいのか?シチュエーション的には背徳感マシマシのスーツ姿の方が燃えるものがある気がするが……
「行かないの?」
少し赤らんだ顔でこちらに問いかけてくる。
「いや、風呂上がりの格好どうすれば良いのかなと思いまして……」
完全に頭にクエスチョンマークが立っている。が、質問の意図に気づいたのか、顔がどんどん沸騰したかのように赤くなっていく。
だが、それが可愛い。まぁ口に出したら終わるから言わないけど。
でも、制服姿の可愛い女子(成人済みだが)がめっちゃ顔赤くして恥ずかしそうにモジモジしてるんやぞ?萌えやろ?黒タイツやぞ?
……いかんいかん。脳内で興奮しすぎた。妄想爆発に反省。
「……ワイシャツとインナー新しいの置いておくから。出たら声掛けて」
そうよなぁ。アンタもオタクよのぉ。
新しいの用意するなんぞ洗濯物増えてめんどくさくなるから本来避けて通るべき道。しかし、シチュエーション盛りにしては邪道よのぉ。
……鼻の下ノビノビで語尾がおかしいやつになってしまった。鼻血出てるかも。
「汗流しに行ってきます」
「うん。待ってるから」
うちのヨメ、破壊力おかしい。そんな顔して待ってるなんて言われたらもうオジサンホイホイで何万人と釣れちゃうよ。
そんな天然で可愛いを行くヨメの残り香を嗅ぎに……ではなく、一日の汗を流しに俺は浴室へと足を向けるのであった。
最初のコメントを投稿しよう!