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また、勉強をする為の机には、スキャナーや小型の集音機が用意されている。窓には分厚いカーテンがかかっているものの部屋は明るく、文字を読むのに苦はなかった。
机の横には本棚が置かれ、そこには教科書の類いが並べられている。机には、大小様々な引き出しもあり、中には鍵穴の在るものもあった。
ニコライは、仕事を終えた後で妹を呼び出すと勉強部屋まで連れていった。彼は、少女を部屋に入れると自らも入り、新たな鍵を手渡した。
「机の引き出し用の鍵だ。中には、授業で必要な時に使うタブレットが入っている」
ニコライは、スクリーンに向き直り説明を続ける。
「それと、授業を受ける時はスクリーンの電源を入れること。通信環境は整えてあるから、スクリーンの電源を入れるだけで授業が受けられる。質疑応答がある場合もあるけど、あった時はマイクのスイッチを入れること」
マイクの電源を指し、ニコライはスキャナーを持ち上げる。
「課題提出の場合、これで読み込むこと。スイッチを入れてノートなりの上部に置けば、内容をスキャンしてデータが教師に送られる。これも、課題提出すべき教師にデータが送られる様にしてあるから、スキャナーの使い方さえ覚えていれば良い」
ニコライは一番上の引き出しから印刷物を取り出し、妹に渡した。
「これが授業の予定表。初日は緩めに組んでおいたし、その後にどう組むかは君と教師の相性次第かな?」
少女が予定表を見ると、そこには一週間分の予定が書かれていた。予定の中にはニコライとの昼食がしっかりと組み込まれ、休み時間も用意されている。
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