妹への愛をこじらせろ

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「教科書は本棚に揃えてあるし、筆記用具は机の引き出しにある。もし、足りないものがあったら、昼食の時に言ってくれ」  ニコライは机の引き出しを開け、中の筆記用具を妹に見せた。そこには、真新しいペンが揃えられ、鋏や糊も用意されている。 「食事の時間と寝る時間以外は、好きなだけ部屋を使って良い。だが、食事と睡眠はちゃんととること。何か質問は?」  その質問に妹は首を振り、予定表を見下ろしたまま話し出す。 「もし、何かあれば昼食の際に聞きます。実際に授業を受けてみなければ分からないこともありますから」  ニコライは頷き、部屋のドアを開ける。 「なら、明日に備えて今日は休むと良い」  そうして、ニコライと妹は部屋を出、各々の自室へ向かって行く。  そうして、投資の名の下に、食事や教育を通して兄が妹を斜め方面から甘やかし倒す日々が始まった。 ー終ー
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