理由はどうあれシスコン的な

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「ハーブティーみたいなものだよ。他にも色々と加えて」  若者が言った時、少女は一気にカップを空にした。一方、若者はにこやかな笑みを浮かべ、空になったカップを回収する。 「良い子だ。そして、その判断力こそ、僕らが求めるもの」  若者は少女の頭を撫で、それを少女は大人しく受け入れた。  少女を乗せた車は停まり、外側からドアが開けられた。彼女の隣に座る若者は、降車するよう少女へ告げる。  若者は少女の後に降車し、ドアは静かに閉められた。若者は、眼前の屋敷を指し示す。 「今日から、あそこが君の家だ。部屋も用意してあるが、先ずは薬湯に浸かって貰う」  若者は歩き出し、少女は直ぐに彼を追い掛けた。屋敷に入ってから、若者は浴室の場所まで少女を連れていった。彼は、体がしっかりと温まるまで湯に浸かるよう少女に指示し、入浴後に着る為の服を用意した場所を伝えた。  青年は、屋敷の簡素な地図を用意したとも言い、入浴後はそれに書かれた部屋に来るよう少女に伝える。少女は、彼が話した指示を受け入れ、青年が離れた後で入浴準備を始めた。  広めの脱衣場には、綺麗な着替えが用意されていた。また、浴室の中央に置かれたバスタブには、薬草のエキスが滲み出した湯がたっぷりと溜められている。
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