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まっしろい 薄衣に
滴る真紅の花弁が 一枚 二枚
次から次へと湧き出るそれは いつしか大輪の花を咲かせた
まわりには 散らされた花弁が 一枚 二枚
ふわりと風に乗って浮かんだまっしろい羽も 一枚 二枚
鮮やかな真紅の花文様 散らした真白の葉
真中には、水鳥が 一羽
その濡れた黒い瞳からは もう何の想いも
読み取ることはできない
薄衣の文様が完成したその時 水鳥はかくんと首を垂れた
硝煙の名残が かすかにまだ匂う
私の手に持っている銃の筒口からは まだ細く煙が上っていた
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