荒ぶる龍は嵐となりぬる

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天の空に龍が登る 太古の昔に、陰と陽と、双龍に分かたれ、互い違いに飛翔した 相見えることたちまちのうちに、牙をむき出し、いがみ合い、天を縦横無尽に暴れ尽くす 荒れ狂い、咆哮し、慟哭する龍は、地上に雷雨と業風をもたらすのだ 狂飆(きょうひょう)吹き荒れ、啼くは龍 荒ぶる風は業風の如し 唸る風は大木をも捻じ伏せる 靇々(ろうろう)鳴るは、龍の咆哮  閃く電影は太明の如し 轟き叫んで大地を揺らす
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