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高校2年生ーケリをつける
【文化祭-あいつが!】
2日目の最終日、昨日と同じく荷物運びをして、食堂前に行って 武村に会って・・・・
のはずが、荷物運びが終わった時、3年の男子が純に絡んでいた。
「村井さんの休憩っていつ?」
「えっ、どうしてですか?」
「休憩時間、一緒に回ろうよ」
「いえ、他に約束がありますから」
「じゃあ、その次の休憩時間に一緒にまわろうよ」
「ごめんなさい」
「えー、いいじゃん、須藤と別れたんだろ」
「須藤君とは別れたけど、あなたとは一緒に回りません」
「なんで、いいじゃん、一緒に回るくらい」
「すみません、他に一緒に回る約束がありますから」
「じゃあ、そいつと一緒に回ろうよ」
そこにあいつが、
「おい!」
「あっ?」振り返ると須藤=元野球部主将の元カレ須藤が後ろに立っていた。
「須藤じゃん、何?別れたんだろ」
「別れてない、俺の女に何すんだ、さっさと行け」
「なんだよ‥‥‥」そう言って3年が消えていった。
(やっと動き出した、お前の女? 違うだろ、俺の彼女だ!)
「須藤君」
「純、話がある」
「私は何もありません」
「いいから」といって純の腕を掴む
「やめてください」
「おい、山下、純借りるぞ」「はい、どうぞ」
トップカーストの中の野球部の山下に声をかけ純を無理やり連れて行った。
なんでお前が許可するんだ・・・と一瞬イラっとしたが、俺はあわてて、廊下にでた。
須藤が純を連れて行く横を、すれ違いざまに、純に
「大丈夫、ついて行くから」
そう言って素通りしてすぐ振り返り、武村に電話した。
「武村、純が須藤に連れて行かれた、頼む助けてくれ」
「おお、また“貸し”な」
「うん」
俺は、そのまま知らん顔して、純の後をつける。
おそらく野球部部室の近く、体育用具倉庫 この前純が・・・・・・のところ。
人混みのなか、なんとか跡をつけて行くと、案の定体育用具倉庫の入り口にやってきた。
スマホを録音いや録画モードにして、じーっと聞いていると、
「純、いつお前と別れたんだ?」
「言ったわよね、しばらく離れたいって、そうしたらあんなひどい事して、もう無理でしょ」
「あっ? 何言ってるんだ、お前は俺の女なんだ、俺のものだって言ったろ、別れるなんて許さないぞ、誰なんだ、そいつの名前言え!」
「いや!もう関係ないでしょ」
「お前の彼氏が誰なのか、この前と同じようにわからせてやろうか?!」
「いや、やめて!」
須藤は純の腕を掴んで、倉庫の中に入ろうとしたので、やっぱ出て行くしかないんだと思いながら、声をかける
「須藤さん、ちょっと待ってもらえますか?」
【文化祭—けじめをつける】
「誰だ、お前」
「かっちゃん」
「須藤さんに名乗るほどの者じゃないんで」
「あのな~、俺と純の問題だから、部外者はあっちに行ってくれないか?」
「あの~、もう部外者じゃないんで、純は俺の彼女で、須藤さんが部外者なんですけど」
「お前か、純が気になるって奴は」
「いえ、気になるっていうんじゃなくて、もう既に純の彼氏なんです」
「あー? 純の彼氏は俺だ」
「いえ、違いますよ、ね、純」
「うん、かっちゃん、助けて」
「ほら、須藤さん、純が助けてって言ってますよ、このままだと須藤さんまずいですよ、 卒業前に退学は困りますよね」
「はーっ? お前、何言ってるんだ?」
「えーっ、だって、助けてって言ってる2年の女子を無理やり倉庫に中に連れ込もうとしましたよね、それって、退学レベルですよ」
「そんなことしてねーよ」
「でも、ほら思いっきり腕掴んでるじゃないですか」
「つかんでねーよ」
と言って離したので、すぐに純の腕を掴んでこっちに引き寄せる。
「はい、ご苦労さま。じゃあこれから先生呼びますけどそのまま待っていてくれますか」
「はーっ? 何言ってるんだお前」
「何、って先生呼んで事情を話すんですよ、この前純にした事も含めて、で須藤さんに学校辞めてもらうんですよ」
「……誰がそんな事信じるんだ、えっ?」
「誰って、目の前に被害者がいるんですよ、被害者に証言してもらうんです、じゃあ今から電話かけるんで、そのまま逃げないでくださいね」
「やめろ」
「えっ、どうしてですか?」
「大学に行けなくなる」
「そうですよね、きっと推薦取り消しですよね」
「困るんだ」
「いえ俺は困らないです」
「俺が困るんだ」
「いや~、そんなの関係ないんで、ていうか、そういう事する奴には、早く学校辞めてほしいんで、」
「どうすればいい」
「じゃあ、質問の答えてもらえますか」
「ああ、」
「純が、しばらく距離を置きたい、って言った時、須藤さんは、この倉庫で純に暴行しましたよね、それってどう思います?」
「それは、純は俺の女だから」
「えっ? だから、何してもいいんですか?」
「俺の女だから、それにいつもやってたことと同じだろ」
「いつも、純に暴行してたんですか」
「いや、いつも抱いてたから」
「それって、いつも純とやっていたってことですか」
「ああ」
「いつも無理やりやっていたんですね」
「俺の女だから、俺がしたい時にして問題ないだろ」
「それで、倉庫に連れ込んで無理やり暴行したんですか?」
「自分の女にやって何が悪いんだ」
「悪いに決まってるじゃないですか、須藤さん、あなた2年の女子を倉庫に連れ込んで暴行したんですよ、それ犯罪ですよ」
「なんでだ、俺の女なんだから違うだろ」
「はあ?じゃあ、警察の人に聞いてみますか?」
「やめろ」
「どうして?」
「いいかげんにしろ」
「はあ?いいかげんにしろ?別にいいですよ、須藤さんは今から学校辞めて、体育推薦取り消しになる人ですから、じゃあ、先生に電話しますね」
と言って武村に電話をかけた。
「高橋先生ですか、先生って今生活指導されてますよね」
武村はここから少し離れて俺達を見ていながら、俺からかかってきた電話で、
俺が武村に『高橋先生・・・』と言っているので、―――――
「はあ?お前何言ってんだ?」
/////////////////////
「やめろ・・・わかった、あやまる」
それを聞いて、
「武村が髪の毛の事で先生に謝りたいそうです、はい、はい、あとで詳しくご説明します、ありがとうございました」
須藤に向って、電話を切ったスマホを見せた
――――――「「おい・・・プープープ―」」
((お前、須藤相手に何やってんだ?))
須藤に向って、
「須藤さん、これから何すればいいかわかりますか」
「あやまる、俺が悪かった」
「誰にあやまるんですか、何が悪かったんですか」
「純、悪かった」
「それで、これから何をするつもりですか」
「しばらく、距離を置くよ」
「はあ?何言ってるんですか?」
「だから、純の言う通り、しばらく距離を置く」
「須藤さん、あなたわかってますか?もう純はあなたと関わりたくないんですよ」
「純は俺の女だ、だからしばらく距離をおいて、気持ちの整理ができたら、ちゃんと付き合おうと思う」
「だ・か・ら、純はとっくにあなたと別れてるんですよ」
「俺はまだ別れてない」
「じゃあ、今すぐ別れてください」
「それは、俺と純の話で、お前には関係ない」
「純」そう言って、純を見ると、純はひどく落ち込んだ顔で
「須藤君、もう私の前に現れないでください」
「なんでだ、俺と純は付き合ってるんだろ?」
俺は純の手をしっかり握って、純の目を見た。
「あの時、終わりました。今、カレと付き合ってます」
このままじゃ、こいつはずるずると引っ張るだろう と思い
「須藤さん、いいかげんわかりませんか?あんな事してまだ付き合ってると思ってるんですか?」
「何でお前なんだ、」
「そんな事、もうあなたに関係ないでしょ、それに誰と付き合うかを決めるのは純ですよね、いい加減にしてくださいよ」
「何?」ムっつとして怒り顔で俺を思いっきりにらんで1歩前に。
「そうやって、俺をボコるんですか?いいですよ、学校辞める覚悟があるなら」
「・・・・・・」
「もういい加減、自覚して、どっか行ってください」
「・・・・・・」
「どうするんですか、消えますか?それとも学校やめますか?」
「わかったよ」
「それだけですか?」
「えっ?」
「誰か他の人を使って純に何かするとか考えてませんか?」
「そういう事はしない」
「陰で、純の悪い噂、流そうとしてませんか」
「いや、そういう事はしない」
「約束ですよ、」
「ああ」
「ああ、じゃないですよね、ちゃんとした言葉でお願いできますか」
「しないよ」
「そうですよね」
「言質とりましたよ、守ってくださいね、今までの会話録音してますから、何言ってるかわかりますよね」そう言ってスマホを見せる。
「ああ」
「はいー?」
「はい、わかりました」
「はい、そうですね」
「じゃあ、おとなしく消えてください、二度と純には近寄らないで下さい。その時はどうなるかわかりますよね、お願いしますね」
「あ、それと、因果応報って知ってます?須藤さん次第で、もしこれから須藤さんに彼女ができた時・・・わかりますよね、俺、ずーっと須藤さん追っかけますからねー」
「くっそ」
「えっ? 今なんて言いました?」
「いや、なんでもない」
「それじゃあ、消えてください。二度と純の前に現れないでください、さようなら」
すごい顔をして、須藤が去って行った。
俺は緊張が一機にほどけ、その場に座りこんでしまった。
【文化祭―大丈夫だよ】
そこに、純が思いっきり泣きながら
「かっちゃん、ごめんなさい、汚れちゃって、こんな汚い女でごめんなさい」
そう言って俺に抱き着いてきたので、俺は力なくそのまま仰向けに寝転んでしまい、
純が上にかぶさって、泣いている。
そこに武村がやってきて
「お前、さっきの電話」
「うん、ありがとう、助かったよ」
「まあ、全部見てたけどな」
「“貸し”だよね」
「ああ“貸し”な」
「ありがとう」
「大丈夫か」
「いや~ 純がのっかてるし、一機に緊張がほぐれちゃって力はいんないし」
「まあ、しばらくそのままにしてろ」
「うん」
「じゃあな」
「うん」そう言って、武村が去って行った。
純はずーっと「ごめんなさい ごめんなさい 」って言って離れない。
ちょっと疲れすぎて、純を放っておいて、自分の緊張がほどけてきてから抱きしめた。
俺が須藤を言葉で追い詰める際、純の事を話したことで、純を傷つけてしまった。
純が須藤に初めてと、それからも何度も、そして用具用倉庫で・・・思い出したくなかっただろう出来事を、今カレの俺が口に出したのだ。
最初に付き合う時もそれ以降も一切口に出したことのない須藤との事をはっきりと俺が言った事で、純にとっては、俺が純を責めたように思えたんだろう。
どうすれば、純が立ち直るのかはわからない、今の俺が考える方法は上書き、とにかく謝って、好きだと言って、全部上書きして・・・。
純に「ごめん、須藤を追い詰めるのにしょうがなかったんだ、ごめん」
そう言ってもずーっと謝り続けるので
「わかったから、大丈夫だよ、それでも俺は純が好きだから」そう言っても
「ごめんなさい、汚くて、汚れてしまってごめんなさい」言い続けるので
「じゃあ、これから俺が上書きする」そう言って、起き上がり、純を引っ張って、倉庫に入った。
純が驚いて、かなり狼狽していたので、
「そう、この場所で純を上書きして、純を俺の物にする、そして俺を純の物にして」そう言って、キスをする。
最初抵抗したが、
「純、好きだ、一番、誰よりも純が大好きだ」
そう言ってまたキス
何度も繰り返す、ずーと抱きしめながら恋人キス、少しづつ純が落ち着いてきて……
「かっちゃん、ごめんね、こんな私でごめんね」と言い続けるので、
「純、それは付き合う一番最初の時に聞いたよね、だから大丈夫、俺ね、あれからどんどん純が好きになっちゃって、きっと純が俺の事思うより、俺の方が純を好きだと思う。もう純から離れられないんだ、だから、もうこの話はやめよ?」
「・・・・・・」
「やっと、けりがついたね、これで正々堂々と恋人になれるね」
とにかく、歯の浮くような言葉を純に向かって話し続ける。
それでも、純の顔がまだ暗い、
「純、後夜祭出る?」
「・・・うん・・・」
「俺、抜け出して純の部屋で2人きりになりたい」
「・・・わかった・・・そうする」
「じゃあ、今から帰って、駅降りた改札で待ってる。」
「・・・うん・・・」
「戻ろうか、純がいなくてクラスの皆、心配していると思うよ」
「・・・うん・・・」
そう言って、2人距離をおいて教室に戻った。
俺は純が教室に入って行くのを見て、そのまま食堂の前に・・・、
武村がいた。
「さっきはありがとう」
「ああ」
「一応これでケリがついた、と思う」
「ああ」
「俺1人で、やっぱ心配だった、あういう脳筋、ボコられるかもって」
「ああ」
「助かったよ」
「貸しな」
「うん」
「よかったな」武村がそう言ってくれた
「うん」
「俺、須藤を言葉で追い詰めた時、須藤と純の関係について、ちょっとまずい言い方たくさんしてさ、純を傷付けちゃって・・・だから、後夜祭出ないで、純の部屋で純を慰めようと思う。だから、俺帰るね。」
「ああ」
「純に、先に帰っていつもの所で待ってるって伝えてくれる?」
「おお」
「じゃあ帰るね」
「ああ」
そう言って、俺はそのまま玄関で靴を履き替え帰って、いつもの改札出口で純を待つことにした。一応純にRINEを入れてけど、既読にはなっていなかった。
30分くらい待って、純の事が心配になって、やっぱり学校で待っていた方がよかったかなと後悔し始めたら、スマホが鳴ったのであわてて出ると、
「かっちゃん、ごめんね、今、駅のホーム、これから電車に乗るの」
「うん、大丈夫、ちゃんと待ってるから」
「うん」
純が教室に戻ると、皆最初は純を心配し、何があったか聞いてきたが、大丈夫だとわかるといつものように純のまわりに人が集まり、後夜祭の話で盛り上がって、純はなかなか抜け出せなかったようだ。
そこに武村がやってきて、純を引っ張り出してくれ、やっと純が出る事ができた。
電車が到着、改札から純が出てくるのを待って一緒に帰る。
でも純はいつものように俺にしがみついてこない、だから俺が純の腕に絡んで一緒に帰る。
「じゅん、ごめんね、いっぱい傷つけちゃって、ごめんね」
「ううん 私が悪いの、ごめんなさい、こんな私で」
純が謝るから、俺も謝るその繰り返しのまま、純の部屋。
うなだれてしんみりしている純を抱きしめながら、謝る。
無言の純の顔を見ながらキスをして、無抵抗な純をゆっくり・・・・ひたすら愛し続ける。
とにかく 「好き、愛してる」を言い続け、やっと純が「好き」と言ってくれた。
最後にまた謝って、今の純が好きだから、変わらないからと何度も言って、明日からいつもどおりに迎えに行くからと言って帰った。
次の日、まだ純が暗い、それでも毎日、純の家に上がって、ずーっと純を愛し続け・・・ようやく日曜日、純をバイクの後ろに乗せて、春には桜が満開で花見をする人が集まるという公園に行って、2人寝そべって話す・・・・やっと純が「かっちゃん、こんな私でもいいの?」
「純が好きなんだよ、ずーっと純だけ、こんなに好きになったのは初めてなんだ、純だけが初めてじゃないんだよ」
「うん」そう言って泣き出した。
「やっと正式に恋人に慣れたね」と俺、
「うん」
しばらく泣いて、純が、ようやく元に戻った。
ただ、学校では、前の彼と別れて、突然俺と付き合ってることを話すのは、純の評判を考えるとまだ早い、だからもうちょっとだけ黙っていてほしいとお願いしたけど、なかなか説得するのが大変で、でも今までどおりちゃんと毎日純の家に行くし、休みは一緒にいるからと言って、もうちょっとだけという条件付きで納得してもらった。
あいつを警察に引き渡せば、あいつの人生は終わる、復讐はできるけど、そうなったあいつが自暴自棄になって純に報復してきたら・・・・・・・そう考えると、このままあいつが卒業するまで様子を見た方が良いだろう、我慢が続くけど・・・・・・
月曜の朝、純が髪の毛をばっさり切ってきた。
皆が驚いて純に聞くので、純は「やっと彼が別れてくれた」その日のうちに学年中に広まった。
純がフリーになったことが広まったその時から、今まで以上に、学校では、純の周りにはトップカースト軍団、昼はさらに膨れ上がり、他のクラスや3年の男子が純に会いに来る。
ただ、須藤とケリがついたので、俺は嫉妬しながら、でも安心して、純を眺めていられる。
同じような平穏な毎日が続いてる。
【かっちゃんってひどい】
11月28日いつも通り、学校が終わり予備校へ・・・・何? 別のクラスの女子がかっちゃんになにか渡してる。同じクラスの田代さんと中野さんも、何を渡してるの?
予備校が終わった後、バクドに行こうと誘って、さっそく聞いてみた。
「ねえ、かっちゃん、今日、何かもらってなかった?」
「うん、俺、自分でも忘れてたんだけど、今日、誕生日だった。それで、この前家族で出かけた時のおみおやげってくれた。お守り4個ももらっちゃった」
「・・・ひどい・・・私、知らなかった・・・・・・」
「ごめん、俺も忘れてた、いや28日が誕生だっていうのは忘れてないけど、今日が28日っていうのを・・・ごめん」
「・・・・・・私ってその程度なんだ・・・・・・そんなにお守りもらってうれしいんだ・・・・・・」
「違う、違うよ、そんなことない、純はまったく別、特別、純だけ2人で俺の誕生日をね一緒にね、お祝いしてほしいなって」
「それはうれしいけど、今日が誕生日なのに、そんなの知らなかったし・・・・・・教えてくれなかった」
それを聞いていたいっちゃんが追い打ちをかけて、
「あ~あ」
かっちゃんの顔がどんどん悲壮感・・・・・・
そうよ、私が特別なんだったら私に教えなかった罰。
結局、今日、私の部屋で私をプレゼント♡
日曜に2人でデートして、バスボ用のケースをプレゼントして・・・・・・楽しかったから許してあげたけど、やっぱりあの子たちもかっちゃんを狙ってることがはっきりした。
だいたいお守りって言って♡型のお守りとか、恋愛とか、ストレートすぎる。
最初、その事をかっちゃんに言うと、鈍感ニブチンやろうの振りしてとぼけて・・・、
私が怒った顔と声で
「どこまで本気?」って聞いたら
「ごめんさい」って自分でも気づいてるくせに!
【前期期末試験】
いよいよ12月前期期末試験が終わるとクリスマス、そして冬休み、初詣とイベントが続く。
期末試験の2週間前から予備校の授業は休みになる。
最後の予備校の授業の日、いつものように3人でバクドに行って勉強の話に。
「高谷、お前、この前言ってた勉強しかしないのか?」
「うん、そうだよ」
「そうか」
それを聞いて純が「えっ? 何?」
「こいつ、大学受験の科目以外は最低限の勉強しかしないんだよ」
「そうなの?」
「うん、一般入試に学校の試験の総合成績なんて関係ないからね」
「かっちゃんっていつもどれくらいなの?」
「総合だと、この前は確か178か9位だったかな」
「何、それ、まずいんじゃないの?」
「おお、俺より100も下で、こいつ大丈夫か、って思ったよ」
「それより、武村が100番以内の方が驚いてるんだけど、まあ俺は、受験に必要のない科目は赤点ぎりぎりセーフだから」
「どういう事?」
「純も文系だよね、この前のテスト国語と英語は何点くらいだった?」
「たしか国語は80点、英語は81点だったと思う」
「俺、国語は96点、英語は93点」
「何、それ」
「うん、国語はおそらくトップ、英語も2位か3位くらいだと思う」
「なんで、それで179位なの?」
「俺、私立文系だから、必要科目は 英語と国語と日本史なんだ、それ以外は関係ないから最低限の知識しか必要ないって思って、それにそれ以外の勉強するなら今から日本史やった方が3年になってから楽だろ、だからそれ以外は『赤点とって補修』なんてことにならなければ良いと思ってる、受験科目以外の他の科目は赤点の25点+1点の26点をクリアが目標」
「すごいね」
「こいつ変わってるんだ」
「でも言われてみると、そうね」
「ああ、どうせ推薦で行きたい大学にはいけないから、一般入試だからね」
「そっかー」
「純は国立文系志望だっけ?」
「うん」
「じゃあ、共通と2次試験だね」
「そうね、確かに受験に関係ない科目は、学校の試験のためだけに勉強してる感じよね」
「まあ、今から毎日休まず6間以上勉強するなら、今より上位に入れるかもしれないけど、でも受験には関係ないし、それならその時間3科目の勉強か、純と一緒に遊びたいしね」
「そうよね、うん、そうよ」純が1人で納得したかのように頷く。
「でもね、それを実際にやるって、結構覚悟がいるんだ、皆、総合順位で判断するから、俺なんか、皆に下位1/3グループって見下されるし、武村だって、最初は、俺のことを、こんなに真面目なのに“ばか?”って顔してた」
「ああ」
「でも、こんな話よっぽど親しくなきゃあ言うのも面倒だしね」
「そうだな」
「ふ~ん、徹底してるのね、だから2年から予備校行ってるんだ」
「うん、人より早く受験体制つくれば、3年になってからあわてなくって済むからね」
「かっちゃんってすごいね」
「いや~、すごくないよ、ちょっと楽して、まあちょっとずるいかも」
「ううん、すごいと思う」
「 まあ、俺はそれやってるけど」
「武村、それやってるの?」
「ああ」
「大丈夫?総合順位、下がるよ?」
「ああ」
「でも、武村の場合、まずいんじゃない?」
「ああ?」
「だって、普段の素行がやばいから、これで総合順位が下がったら、ますます先生の目が厳しくなるんじゃない?」
「別いいいよ、大学受験に関係ないんだろ」
「まあ、そう思うけど、絶対停学とかは気を付けなよ」
「あっ? 俺、停学とか今までないぞ」
「えっ、そうなの?」と2人でユニゾる。
「ああ」
「そっかー、これから気を付けなよ」
「ああ」
「へ~、いっちゃんって思ってたより真面目なんだー」
「お前、何言ってんの?」
「フフフ」「ハハハ」
今日はこれで別れ、次の日からは中間期末試験の勉強、いつもより早く帰った俺は、純の部屋で勉強して、ちょっと休憩・・・・なぜかキスしちゃって、そしたら純があんな声をだすし・・・触ったら準備できてるし・・・誘ってくるから・・・・×××。
帰ったら、もう少し勉強しよ。
試験の前日まで、一応毎日、純の部屋で一緒に勉強しているけど・・・・最後はどうしても×××してしまって、心配になって家に帰ってから1人で勉強していた。
さすがに3日間連続だったので、純にその事を言ったら、純も俺が帰った後、寝る前に1人で勉強していると言って、わざわざ耳元で 「だから大丈夫だよ♡」って・・・・・・。
試験も終わり、来週から回答が返却され、総合成績優秀者が張り出され、クリスマス。
うちの学校は“一応進学校”、2年までは総合成績優秀者の合計点数しか貼り出されない。
それが俺を下位グループ1/3として認識されることになっているし、まあどうでも良い。
解答が返却され、総合優秀者が張り出され、3人でバクドで。
何故か、武村から聞いてきた。
「高谷の順位と点数」
「うん、総合186位、 国語96点、 英語94点、 で総合は落ちてるけど、国語と英語は前回と変わらないようなもの。
どうしても漢文で1問、文章問題で減点があって満点にはならない、英語も2問、間違えちゃって・・・・・・」
「そうか」
「武村は?」
「総合139位、国語86点 英語84点・・・」
「それって、俺と同じ勉強のしかた?」
「まあな」
「私、まだそこまで吹っ切れる勇気がなくて、総合48位、国語84点、英語84点、
でも国語はいっちゃんの方が良いの?、いっちゃんすごいね」
「ああ、高谷方式だからな」
「でも、総合順位は落ちてるよね?」
「ああ、でもそんなのイイんだよ」
「まあ、私立文系には関係ないからね」
「そっか~2人とも、もう準備に入ってるんだね」
「そう、ひょっとして、武村も日本史始めてる?」
「ああ」
「俺、そんなに真面目じゃないから、今から毎日6時間ずーっと勉強なんて続かないからね」
「そっかー」
「あっ、純は48位ってことは、今回は50位までだっけ、じゃあ名前は乗ってるんだ」
「うん、最後から3番目だけどね、この前は31位、志望校にはまだまだ足りないかなって思ってたんだけど、かっちゃんの話聞いたら、この順位は関係ないもね、ふっきれなかったから中途半端な順位になっちゃった」
「そっか、成績優秀者がこのやり方やると、先生が心配して個別面談の時に何か言われるかもしれないね、・・・・純は徐々にで良いかもしれない、純のやり方でやるのが一番だから」
「うん」
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