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高校2年生ーバレンタイン
【バレンタインデー -純― 私もうダメ】
冬休みが終わり1ヶ月もすると、バレンタインデー。
今日は2月14日、私は帰りに、駅の改札を出ていつものようにかっちゃんに抱き着きながら一緒に帰る。
最初はどこかファミレスとかバクドに寄ろうかって言われたけど、やっぱり私の部屋で、・・・愛してほしかったから、私の部屋に上がってもらった。
2人でベッドに座って、気になっていた、さりげく聞いてみた「ねえ 今日 チョコレートもらった?」
「うん、普通の市販のチョコ、義理チョコって言ってくれたよ」
「何個?」
「4個」
やっぱり……あの2人以外にもいるんだ、きっと、あの時のお守りの子。
「そんなに?」
「でも、あのバレンタインデー用とかじゃなくていつでもコンビニに売ってる市販のよくある普通のだよ」
「誰から?」
4人の名前を聞いて、違うクラスの子もいたけど、いつも何かあればかっちゃんに話しかけてくる女子、かっちゃんの誕生日にお守りをあげた子だった。
いつもそれを見かけて、モヤモヤしていた、あの女子達。
やっぱり かっちゃんに近づいてくる子は、そういうスタンスなんだ、と思った。
でも、なんとなくわかる、かっちゃんってそういうタイプ、仲良くなって、気になりだして少しづつ近づいて、もっと親しくなって、付き合う前に 一緒にあそぼって言って、でも実は中身はデート。
そして彼と親しくなって、学校には内緒でバイクなんか乗っていてこの人何?でもちゃんと勉強もしてこんなに早くから予備校に行って将来のことも考えていて、ただ親しみやすいだけじゃなくて、ちょっと秘密があって、でもしっかりして、イケメンじゃないけど、よく見たらちょっとかわいいし、一緒にいると楽しいし何故か落ち着くから、どんどん気になって何回かデートを繰り返してたら居心地が良くって、それから、バイクに乗せてもらったりなんかしたら、もう、ずーっと一緒にいたいって思うようになって好きになっちゃう。
……私とおんなじ……
でも、それが一番やっかい、私に告白してくる人は、その場で断れば良いけど、そういう子って断るタイミングがないから、親しくなって一緒に遊ぼって言われたら、そのまま気軽に遊んじゃう、断れない。
それって他の人から見たら間違いなくデートだもの。
それを考えたら、どんどん胸が苦しくなって、思わず 「そんなのイヤ」って言ったら
かっちゃんはちょっと驚いて「どうしたの?」
私、恋って初めてだから駆け引きとかできない、だから全部そのまましゃべっちゃう。
「あのね、チョコあげた4人って皆かっちゃんの事好きなんだよ、きっと」
「えっ? でも義理チョコだよ」
「この前のお守りの女子でしょ?あのね、その子達ってチョコあげたのかっちゃんしかいないと思う、市販でも義理でも
あの子たちはチョコ1個だけ、バレンタインデーのチョコをわざわざ用意するとかしないの、だから市販のチョコなの」
「そうなんだ、でも、俺は純だけだよ」
「うん、でもその子たちが一緒にあそぼって言ったら?」
「場合によるよ」
「それが、実はデートだったら」
「ん?」
「私との最初出会ったころを思い出して。私も最初は、かっちゃんと付き合ってないのにデートしたでしょ、最初は水着を一緒に買って、そしてプールに行って、映画を観て、3回デートしてるよ」
「そう言えばそうだね」
「私と同じなの、最初はかっちゃんの事が気になりだして、デートして、バイクの後ろに乗せてもらって、何度かデートして、そしたら好きになっちゃうの、だからきっとその4人もおんなじ」
「そっか、わかったよ、2人にはならないように気を付ける」
「うん、私以外とそんなことになったらいや」
「ひょっとしてヤキモチ?」
「‥‥・すごく胸が苦しくて・・‥‥気持ち悪いの」
「そっか、絶対そんなことしないから、何かあったら全部話すから」
「うん」
「でも 「「あの村井さん」」 が俺にやきもちなんて、うれしい」
「いや!そんなこと言わない、ねっ」
半分泣きそうなつらそうな顔をして、必死になってかっちゃんを見ているのが自分でもわかる、かっちゃんはそんな私を見て
「うん」 今まで人を好きになった事なかったから、特にそうなんだろうな~ って
「ほんとは先にチョコもらいたかったけど」そう言ってそのまま抱き寄せてキスをして、そのまま押し倒され・・・・・1つになって、思いっきり愛し合う。
((かっちゃんが愛してくれる、かっちゃんが私を天国に導いてくれる・・・
・・・まだ呼吸が整っていないけど、それでも、かっちゃんの胸に顔を埋めて、かっちゃんの汗の匂いを嗅ぐ、良い匂い、落ち着く))
やっと落ち着いてきた、かっちゃんに「イヤだよ、かっちゃんと離れたくない」
「離れないよ」
「でも、不安なの、ずーっと一緒にいたい、離れたくない」そんな事を言うと、かっちゃんはつよく抱きしめてくれた。
――SIDE-克己
2月14日、学校ではちょっとした騒動、
トップカーストと昼休みの取り巻き連中が、やたらと純にからんでいた。
「村井さんって誰かにチョコあげるの?」
「うん」
「誰?」
「ひみつ」
これで終われば良いのに、工藤なんかはまだあきらめられないのか
「純、今日学校が終わったら、2人で会わないか?」
「どうして?」
「だって、今日はバレンタインデーだろ」
「だから?」
「だから、2人で」
「その相手、工藤君じゃないわよ。今日は彼と会って、彼にチョコレート渡すから」
「・・・・・・」
「工藤君、あまり変な事言わないでね」
純は、しっかりと、きっぱりと断ってる。
でも、いつまでもこういうのは良くない、ちゃんと公表しなくてはいけないとは思うけど・・・・・・あいつは今の所おとなしくして純の前に現れないけど・・・・・・卒業までに何をしてくるかわからないから・・・・・・警戒しすぎかな‥‥‥。
純の部屋。
純が、俺が誰からチョコをもらったかしつこく聞いてくる。
ただの義理チョコだから、って説明しても・・・・・。
あんなに真剣に・・ヤキモチ・・うれしいな、
俺は真剣に、ちゃんと俺の意思を示すんだ。
こんなに好きなんだっていう事を形にして・・・・・。
【告白 -プロポーズ】
「「あの村井さん」」が俺の前ではすごいヤンデレで、こんな俺に不安を抱いている。
俺は、お返しにホワイトデーにちゃんと意思を伝えようと思っていたけど、今言わないと、1つになって愛し合ったあと、2人で天井を見ながら、
「そっか・・・あのね、こんな時に言うのもなんだけど、本当はホワイトデーに言おうと思ったんだけど、大学受かったら、婚約してくれないかな」
「ほんと?」純が驚いて起き上がって俺を見る。
「ほんと?って、俺が純に聞いてるんだよ」
「うん」
「大学受かったら、婚約してください、そして就職したら結婚したい、一緒になりたい」
「うん」そう言って、俺の上にかぶさってキスして、そのまま恋人キスをしてきたので、
また愛し合う、純を天国に導く、くたくたになった純が俺にしがみついている。
いつのまにか夜になっていて、妹がドアの外から純を呼んでいる。
「お姉さん? いつまで高谷さんといちゃいちゃしてるの?晩御飯の当番は?」
純がそれを聞いて、思い出したように「あっ」
「じゃあ今日は3人でファミレスに行こうか」
「うん」
純が妹に、「今日は3人でファミレスに行こう。着替えるからちょっと待って」
と言ってリビングで待ってもらい、服を着て、俺に抱き着く。
「妹にも報告する?」
「うん」
「じゃあ、今度の休み、純の両親にもちゃんと言おうか」
「うん」
純が落ち着いてきたので、3人でファミレスで食事をして、
その時、純が妹にこの事を報告すると
「お姉ちゃん、よかったね、高谷さんの事、大好きだもんね」
「うん」
「すごくうれしそうね」
「だって、かっちゃんのお嫁さんだよ、かっちゃんにとってたった1人のお嫁さん」
「おねえちゃん、大丈夫? お嫁さんは1人だよ」
「あー、そうだね、うん」
純が、あの村井さんが こんなにデレデレ女の子なんだよね、去年の最初の頃の村井さんと同じ人物なんて思えない。
一番身近にいる妹に聞いてみる。
「恵ちゃん、純っていつもこんな感じなの?」
「お姉さんに、どういうイメージを持ってますか?」
「知り会って最初の頃はもっと、俺を歳下君扱いだったんだ。
それに学校でも他のクラスの連中といる時も もっとキリっていうか、学年一の美女でシャキって感じなんだよ」
「それが、付き合う事になってから、こんな感じになって、だんだんこれがすごくなってる気がしてね」
「それは高谷さんの前だけだと思います。高谷さんのいう通り、普段はもっとキリっとしてます。高谷さんがいる時、高谷さんの話をしている時はいつもこんな感じです。」
「そっか」
「いやですか」
「いや、そんなことはない、俺としては、甘えられてうれしいんだけど、無理してこういう事してるんなら、って思ったんだ」
「大丈夫です、これが高谷さんの前のお姉さんの普通だと思います。」
「かっちゃん、そうだよ、無理してないよ、これが普通」
「そっか、それなら、いいよ、うん、うれしいよ」
「それなら、いいわよね」と言って 腕をからませる。
3人で食事を終え、家まで送って行ったけど、純は、俺が言うまでチョコの事を忘れて、
俺が「純はくれないの?」
「あっ」
俺好みのチョコもらいました。
ちなみに、純が渡したチョコは3個。父と武村は市販のチョコでした。
【告白 -ご挨拶】
次の日の朝、いつものように純の家に向うため、朝準備をして、家を出る前に、母親に 純の事を伝え、詳しくは夜に話すと言って家を出た。
母親は「そう、よかったわね、ちゃんと向こうの両親に挨拶するのよ、行ってらっしゃい」
そう言って、俺を送ってくれた。
純の家について、いつもどおりピンポンを押す、純が出てくる。
今朝は一緒に純のお母さんも出てきた。
昨日の今日で、ちょっと照れくさいというか、はずかしいと言うか・・・でも、いつもよりニコニコ顔。
「おはようございます」
「高谷君 おはよういつもありがとうね」
「いえ、好きでやってるんで」
「聞いたわよ、ありがとう、純をよろしくね」
「はい こちらこそ よろしくお願いします」
「へへへ、昨日言っちゃた」 純がフライングしていた。
でも母親の対応が、俺を認めてくれて よかった。
「高谷君、浮気しちゃダメよ」
「そんな事しません」
「約束よ」
「はい」・・・なんで純の母親に俺の浮気を心配されるんだ?
そう言ってから、2人で歩きながら
「ねえ何で浮気なの?」
「だってかっちゃんモテるから」
「それは、純の方だろ」
「えっ、昨日言ったじゃない、かっちゃんの方が危ないんだよ、私、不安なの」
「わかった、気を付ける。」
「うん」
そう言いながら、電車に乗る、周りを見回して同じ車両に知っている顔がなければそのまま話す、誰かがいれば離れて俺はストーカー?
あいつと決着をつけたので、俺達の中をオープンにしてもOKだけれど、あのトップカースト連中とその周辺がうるさくて、俺が引いてしまって、今だにこんな状況。
純はすごくイヤがってるけど、申し訳ないけど、何とかお願いして、もうちょっとだけ、このままで。
あいつが卒業した後には、遅くても3年の4月からは正々堂々とできる、でも、それまで隠すというのも、その前にはちゃんとしたい・・・・・・。
靴を履き替えてると、いつものように純には色々な人が挨拶してくるし、教室に入るなりあの連中が純の席の周りを囲む。
俺は1人静かに自分の席に着こうと歩いていると、通り道の席にいる女子が俺に挨拶してきて、自分の席に着くと、隣の子が俺に向って、宿題の事とか好きな新曲のリリースの話なんかをしてくる。
そういう時、もう1人の女子が前の席にいる事がある。
純が言っていたけどこの子たちがそうなんだろうな。
確かにこの2人、結構仲良くなって良く話しかけてくるし、昨日、義理チョコをもらったし・・・
そういえば中学の卒業の時も、そんな事あったっけ、純の言う通りだな・・・。
ふと、純を見ると、こっちをチラチラ見てる。
だから、俺は独りでコクコクと頷くと純はそれを見て、安心したような顔をして、グループの中に入っていった。
「なんかあったの?」
「いや、なんでもない」
そうしているうちにHRが始まり、通常の授業は始まる。
昼は、相変わらず純の周りに10人ほど人が集まって、ワイワイしながら学食に、俺は1人、たまに2-3人で学食に、母さんがパートに行くようになって、最初のうちは弁当を作ってくれたけど、大変そうなので学食でいいよと言って、学食にしている。
妹は学校が相変わらず、平日も朝早くから演習とか言って勉強があるから、前の日の夜におにぎりやおかずを準備して、朝、弁当におかずを詰めて行っているようだ。
俺は、その日、晩御飯の時、妹と母親がいる前で、大学に合格したら純と婚約する、と伝えた。
「あら、そうなの、そうね、そんなに好きだったらいいんじゃない」とあっさり
「でも、大丈夫?純ちゃんもてるでしょ、大学行ったら、すごい彼氏ができたりして」と
俺の心配、いや、脅してくる
「まあ、その時はしょうがないよ」
「克己、そんな事ならやめた方がいいわよ、きっとそうなるから」
「えっ?」
「婚約っていうことは結婚の約束をする事よ、それが大学に入ったら彼女に新しい彼氏ができるかもしれないって思っているようなら、無理でしょ、結婚の約束をする相手が別の彼氏? 自分で考えなさい」
母親は急に冷たい視線で、こう言って、それから皆黙り込んで、食事をしてた。
きつい言葉・・・ベッドに寝転びながら、婚約って簡単に考えてた。
覚悟が足りなかった。最初は純の不安を取り除いて、2人の未来のため俺の意思を表す。と考えていたけど、もっと真剣なものだ。俺がまだ子どもだったんだ。
次の日の朝、母さんに
「母さん、昨日はごめん、俺の覚悟が足りなかった。真剣に婚約したい、一生純の彼氏は俺っていう決心というか覚悟が足りなかった。ちゃんと腹をくくって、向こうの両親にお願いするよ」
「そう、わかったならいいのよ」
「うん」
「がんばりなさい」
「うん、ありがとう」
「はい、学校行ってきなさい」
「うん、行ってきます」
そう、婚約すると言う事はその後に結婚すると言う事、一生純と一緒。
覚悟しよう、一生純を好きでいよう、純に好きでいてもらうようしっかりする。
決心し、純の家に行った。
【ホワイトデーのプレゼント】
純にプロポーズして、2人の関係は一層深くなったと思う。
でも純が不安がっているから、それ以上に俺の想いを形に表したい、だからホワイトデーに指輪を贈ろうと思った。
でも指輪っていくらくらいするんだろう
ネットで検索すると、2つお揃いのを買おうと思うと、結構高くて、今までお年玉貯金で買えない事はないけど、全財産の残高が危うくなる・・・・・それに見れば見るほど・・それ以上の良い物が目に留まるし……。
ほとんどが結婚指輪や婚約指輪で高い。
本当の婚約指輪ではないけど、それなりにちゃんとしなきゃと思って、いろいろ検索してみるとハワイアンジュエリーだと、予算内で買える金額でそれなりのデザインの指輪がある。
何個かめぼしいのをお気に入りに登録したけど……純のサイズがわからない。
次の日、学校で武村の所に行って、純の妹の電話番号を教えてほしいと言ったら
一言「ダメだ」、
「なんで?」
「お前だから」
「何だよ、教えてよ」
「純に聞けばいいだろ」
「純に聞けないから武村にお願いしてるんだよ」
「恵の電話番号をどうして純に聞けないんだ?おかしいだろ、そんなのダメだ」
しょうがないから、事情を説明すると
「じゃあ、俺が恵に聞いてやる」
「頼みます」
「おお」
結局、その日は武村から何も言ってこなくて、次の日、久しぶりにクラスの入り口に来て
「おい、高谷、ちょっと 」
武村は、それこそ、前に付き合ってた危ない連中とは、一切付き合ってはいないが、恰好は相変わらずで、今でも時々髪型が変わっては、生活指導の先生に呼ばれている。
ちゃんと一緒に予備校に行って、俺と同じように、定期試験では 受験科目に特化しているけれど、でもそれが総合成績を以前より落としているので、かえって先生達からは良い目では見られていない。
その武村がいつものように俺を呼ぶ、夏休み以降は3人で予備校に行くのが、当たり前なのであまり教室に呼びにはこないけれど、時々来ると、皆一瞬かたまってしまう。
変わったのは、武村が教室の入り口で俺を呼ぶと純が「いっちゃん」と呼んで手を振るくらい。
俺は、急いで武村の所に行き、2人でいつものように、食堂の前の自販機のところ、
「恵に聞いたけど、知らなかった」
「そっか」
「恵が、純にそれとなく聞いたけど、逆に純に理由を聞かれた。もうすぐばれるぞ、素直に純に聞け」
「・・・一応、ホワイトデーにちょっとサプライスしようと思ったんだけど、そんなに高いの買えないから・・・純に知られないうちに予算内の指輪、買っておきたいんだよ」
「金、貸してやろうか?」
「いいよ、こういうのは自分のお金で買わなきゃ」
「ま、そうだな」
「どうしようか」
「1人で考えろ」
「冷たいな~」
「どんな指輪買ったか、後で教えろよ」
「えっ、どうして?」
「いいから」
「えーーーー」
「うっせ」
そう言って、1人戻って行った。
1人とぼとぼ教室に戻ろうと歩いていると、スマホが震えたので、見て見ると純から
RINEがはいっていた、「いっちゃんと何話したの?」
「なんでもないよ」そういうしかなくて、でも、これがまずかった。
予備校の帰り、ずーっと 何を話していたか問い詰められ、それを見て武村は走って逃げるし、同じ電車のはずなのに、全然見つからなくて、ずーっと俺が純に責められて、最後の方は半泣きで「私に言えないような事してるんだ」って。
どうしようもなくなって、しょうがないから、スマホの画面を見せて、そのサイトのお気に入りを開いて、「純に、婚約の前だけど、『婚約の約束』の指輪を買おうと思って、純のサイズを聞いてたんだよ」
「えっ?」純が一瞬かたまって、それから思いっきり抱き着いてきた。
身長があまり変わらないナイスなボディの純が抱き着いてきたから、思いっきり後ろに倒れてしまって、アスファルトの上に寝転んで、その上に純が覆いかぶさるような恰好。
それなのに、純は泣きしながら、「かっちゃん かっちゃん」ってわめく。
どいてくれないし、もう結構な夜だから、静まった住宅街に声が響いて、思いっきりやばかった。
純がようやく落ち着いて、どいてくれたので、こんな時間だけど、純の部屋に行って、ちゃんと説明した。
本当はちゃんとした指輪を買いたいけど、お年玉貯金だと2つ買えるのはこれくらいになってしまう。
ハワイアンジュエリーのスターリングシルバーしか買えない、プラチナとか白金じゃないから・・・こっそり買ってしまえば・・と思って、恵ちゃんなら知ってるかなって思って武村に聞いてもらった。って
「そっか だから昨日恵が聞いてきたんだ」今まで泣いていた純がにこにこ顔で話してくるんだけど、俺にべったりくっついて身動きがとれない。
「ごめんね」
「もう、だったら言ってよ、もう」すっごくうれしそうに言ってるのが伝わってくる。
「どんなのがあるの?」そう言ってスマホの画面をのぞいて
「う~ん、これかな~、ねえ、他には?」 もう完全に買い物気分。
お気に入り登録以外の 全部の商品画面を見せると
「あーーっ 私、これが良いーー」これで決まった。
「あのね、金額なんてどうでもいいの、かっちゃんがそういう目的で買ってくれるんだから」
確かに、純ならそう言うとは思っていたけど、こうはっきり言われると・・・ほんとイイ女、どんどん好きになっていく。
【プレゼントー俺のサイズ】
これで純の指輪は決まったけど、・・・俺のサイズがわからない・・・
「あのね、こうやって図るんだよ」そう言って、糸を使って図ってくれ、なんか色々な事をやってから「第2関節が思ったより太いから、17号がいいんじゃない」その通りに、純の目の前で購入の手続きをした。
黙って買って、ホワイトデーに純の目の前に パカッと開いて指輪見せて・・・なんて思っていたのが・・・届いたらすぐにほしいって。
でも純が1人、すごく盛り上がって、喜んでくれたので、まあよかったかもしれない。
純ががっちり抱き着いて、俺の目を見て、いやだ帰さないって思いっきり恋人キスしてくるから・・・そのまま×××。
天国に上り詰めた純は大満足だろうけど、隣の部屋に恵ちゃん、下に純の両親はいるし、こんな時間になっちゃうし、こんなに遅く帰ったら、親になんて言えばいいんだろう。
結局家についたのが12時ちょうど、なんとか日をまたがずに済んだけど、母親から白い目でみられ「あんた、純ちゃんに迷惑かけるんじゃないわよ」って……
次の日の朝、純の家に行って、ピンポンすると 純と母親が出てきた。
純は思いっきり眠そうな顔で、母親はちょっときつい顔をしていて
「おはようございます」って言ったら
「あなた達はまだ高校生なんだから、節度を持って・・・高谷君だからいいけど・・・避妊はしっかりして」やっぱりばれてる。
「すみません、純のことは真剣に考えてますから、今後気を付けます」
「お願いね」
「はい」あ~あ 怒られちゃったよ
全然気にしてない純は、「いってきまーす」と言って、俺の腕をつかんで何事もないように駅に向かって歩いて行く
「おばさん、怒ってたよ」
「ううん、気にしなくて大丈夫、昨日お父さんが大騒ぎしていたのをお母さんがおさえてたから」
「お父さんが怒ってたの?」
「うん」
「そりゃあ もっとまずいんじゃないの?」
「平気、お母さんもかっちゃんの味方だから、恵も味方になってくれるし」
「そっかー?」
「うん」
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