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高校2年生ー指輪
【指輪】
純の両親への挨拶も終わり、2人の決心をお互いに確認し、この週末を終えた。
さっそく週の始めに、指輪が家に届いて、その日は予備校がなかったので、学校が終わって、速攻で純の部屋に入って、一応ポーズをとって、「純、俺と将来結婚してください」
「はい♡」 そう言って指輪を純の左薬指につけると、もう今までにないくらいの満面の笑みで左手を眺めてる。
「かっちゃんのは?」
俺の指輪を見せると「私がはめてあげる」そう言って、俺の左の薬指にはめ、2人の左手を重ねて、指輪を見ながらニコニコ顔、そのまま隣の妹の部屋に行って、妹に見せびらかせて、戻ってきた。
それからは、俺にべったりで、「かっちゃん 愛してる?」
その都度「もちろん、愛してるよ」
「私も」と言ってはキスしてきて・・だんだんエスカレートして恋人キス・・・もう、いつもにはないくらいに反応するし、すっかり準備できてるからしぐに1つになっちゃうし、思いっきり愛し合って×××2人で天国へ。
純がどんどん・・・でも純だけじゃない、俺もどんどん好きになっていく。
いつものように2人で余韻を楽しんでいると結構な時間になったので、
「もうこんな時間だから、帰るよ」
「えーー イヤ」
「明日も会えるから、ね」
「うん」
そう言って、帰る。どうも左の指輪でクラッチの感触がいまいち、家に帰って、自分の部屋に戻ってから、色々考え、純には申し訳ないけど、指輪をしていると、まだ慣れない事もあって、クラッチの時に指が泳ぐ感じ、昔、誰かのお土産でもらった誕生石のはいった小さな袋に指輪を入れ、ヒモを付けて首にぶらさげた。
明日、純にちゃんと言わないと、純が怒るだろうな・・と思いながら就寝した。
次の日、いつものように純の家の前、ピンポン。
元気いっぱいでニコニコしながら純が出てきた、しっかり左手薬指には指輪。
会って早々の俺の左手を見て、悲壮感漂った顔付に変わる。
俺はあわてて事情を説明し、首にかけてるひもを引っ張りだして、中身を見せて説得。
なんとかわかってもらえて、ちょっと不満だったようだけど、しっかり腕を絡ませると、機嫌が直ったようで、駅に向かって歩く。
いつものように、電車で回りをキョロキョロ・・・駅の改札では離れて歩き、バラバラに教室に入る。
純が自分の席に着くと、周りに人が集まりだし・・・純の左薬指に視線が集まる。
それに気づいた純が「これ、彼氏にプレゼントしてもらったの」そう言って皆に見せ、
「最初、ホワイトデーに、って言ったんだけど、今すぐほしいっておねだりしたの、ちゃんと彼氏にはめてもらったから、それから1度もはずしてないの」
それからは大騒ぎ、「「あの村井さん」」に彼氏ができた…いつもは違うグループの連中も、お昼に集まってくる連中もどんどん湧いてくる。
他人事のように見てるとちょっと寂しいけど、…うれしい。
隣の席の田代さんとそこに来ていた中野さんが、俺に「聞いた?あの村井さんに彼氏ができたんだって、去年野球部の主将と別れてから1人だったものね、やっぱりね~彼氏ができたんだ~、大学生かなー」
中野さんが 「あんな指輪くれるような人だからそうじゃない?」
「高谷君、どう思う?」
「どうなんだろうね」
「そうよね、関係ないか、あの人達のグループって、私たちとかかわないものね~」
「そうだね」と流して、俺はいつも通り授業を受ける。
関係ない科目は期末試験の勉強をなるべくしたくないから、授業だけはしっかり受け、ノートを取る。
そしていつものように予備校に行く、学校の期末試験に合わせて、予備校の授業がお休みになる、その最終日、3人でバクドに行って雑談、そして純の指輪事件。
「ふ~ん、そりゃあ、あいつら驚いてただろな」そっけない武村
「うん、純が見せびらかして大騒ぎ、面白かった」
それより、いつのまにか武村の左薬指に俺達と似たような指輪がはめてあったのを見つけて。
「武村、それどうしたの?」
「ああ? 別に」
「いや、別にじゃないだろ、それ」
「いいだろ、こんなの」
「イヤイヤ、よくない、聞いてないよその話」
「なんでお前に言わなきゃいけないんだよ」
そうしたら、間に純が入ってきて、
「あのね~、恵に指輪の話をしたらね、いっちゃんにその事話したんだよね~、そうしたら いっちゃんが恵にプレゼントするつもりだ って言ってくれたって、恵が喜んでたんだよね~ 」
「そうなんだ、だからあの時、俺に聞いてきたんだ~」
「あー、お前ら2人、うるさい」
「はいはい」「はーーい」
面白かったのは次の日、武村が左薬指に指輪をしていたのを見つけた奴が、こっそりカーストグループの奴に話して、それを聞いてあわててカーストグループの連中が純に詰め寄って「村井さんの彼氏は武村じゃないよね、いくら幼馴染でも、あんな奴はダメだよ」なんて、相変わらず自分達の基準で人を判断している、困った連中だと思うんだけど‥‥‥。
そう言えば、武村は純の両親に挨拶したのか?今度聞いてみよ、あっ、武村は絶対教えてくれないから、純に聞いてみるか。
その数日後、純の部屋で、純がヒモと袋は汗で痛むからといって結構しっかりしたチェーンネックレスをプレゼントしてくれ、チェーンにリングを入れて首にかけてくれた。
お風呂も、体育の時も絶対外しちゃダメ。 と念を押され、しっかり約束して帰った。
そうそう、武村は純の両親にちゃんと挨拶に行ったらしいけど、俺の時のお義父さんの対応を見た3人は、がっちりタッグを組んで、お義父さんに有無も言わさず、武村は晩御飯を食べて帰ったそうだ。
武村と恵ちゃんの場合、純のように舞い上がってないし、恵ちゃんは落ち着いて、武村のことは小学校のころからの知り合いだから、俺達より信憑性があったんだろう。
それでも、武村と恵ちゃんは、俺達の動向を見て、常に、俺達の後に動いているような・・・。
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