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高校編ー修学旅行が終わっからも
【修学旅行が終わって】
修学旅行から帰ってきてからは一層、大変で、学校では、1年にも、あの村井さんに彼氏がいたという噂が広がっていた。
就学旅行から帰って1日休みがあり、最初の登校日、いつものように純の家から一緒に電車にのって、駅の改札を出る、純はそのままくっついて登校しようとするが、まだ知られていないかも知れなから、俺はもうちょっとだけ様子を見ようと言って、なんとか引き離して、少し離れて歩いていると、トップカーストの1人あの工藤が純を待っていた。
完全に俺を無視するように、純の前に立って「純、大丈夫、僕が君を守るから、心配しないで、だから一緒に行こう」と言って純の腕を掴む。
純があわてて、その手を振りほどいて「工藤君、何やってるの?」
「何って・・・」
「なあ、工藤、いいかげんにしないとほんと ストーカー被害届だすよ」
「お前はだまっててくれなか」
「あのな、お前にそんな事言われる筋合いはないんだよ、今日の放課後にでも話そうか」
「‥‥‥」
「純、行くよ」そう言って 工藤を無視し 純の手を引いて学校に行った。
そのまま一緒に教室に入ると、五条達はギロっとこっちを見たが、田代さんと中野さんが純に向って「おはよう」と言ったので純は2人に「おはよう」と言って、カバンを置いて、田代さんのところに来て3人で話をしている。
俺と田代さんの間の位置だから、ちょっと遅れて入ってきた工藤は、ずーっと こっちを睨んでいる。
先生が来たのでHRが始まり、いつものように授業、お昼は早速、純が五条達から声がかかっているのを軽くあしらいこっちにやってくる。
4人で学食に、そこにフラっと武村が来たので、5人で学食に行って、お昼。
最初、武村と田代さんと中野さんは無言、田代さんと中野さんはちょっと怖がっているみたい。
純が武村と2人を紹介しあい、相変わらず武村は口数が少なく、でもそういう奴だからと2人に説明して、挨拶をかわした。
最初は慣れないけど、何度も一緒にお昼を食べれば、大丈夫だろう と俺も純も思ってる。
武村に修学旅行の時と今日の朝の工藤の事を話すと「お前がちゃんとしろよ」と
「うん」と俺。
このやりとりを見て、田代さんと中野さん、何か考えるところがあるみたいな顔をしていた。
【執拗な奴】
そうして、放課後、俺は工藤の机のところに行き、「工藤、朝の続き、話があるからちょっと」そう言って工藤を見下ろすと、またにらんでくる「お前に話すことはない」
いいかげん頭悪いのかこいつ とイラっとしたので
「俺があるんだよ、ストーカー君」
「何!!」勝手に怒って もういいかげんに・・という気分
「ストーカーだからストーカー君って呼んだの、どうするの?このまま引き下がってくれるんならそのほうが楽なんだけど?」
ムスっとして、目が合うと思いっきり俺をにらみながらも、俺についてくる。
しょうがないから、野球部裏の体育用具沿倉庫、そう去年あいつとケリをつけた場所
今回は武村に言っていない。
「お前みたいな奴に純にふさわしくない、だから純を解放しろ」
「解放? 何それ? あのさ、何がふさわしいんだ? お前はふさわしいのか? 」
「ああ、俺ふさわしい」
「だから、お前の何がふさわしいんだよ」
「すべてだ」
「お前、バカだろ、それ決めるのは純だろ、お前じゃない!そんなこともわからないのかよ」
「うるさい、俺と勝負しろ!そして俺が勝ったら、お前は手を引け」
(なんだそれ?)
「工藤、お前な、純を何だと思ってるんだ?」
「純は純だ」
「勝負に勝ったら、とか、純を物扱いしてるだろ、勝った方が純の所有者みたいな、景品みたいに、なんだ?それ、お前、純をすっごい侮辱しているぞ」
「・・・・・・」
「誰と付き合うかは純が決める事だろ、お前が決める事じゃないんだよ、純の意思を無視してそんなこと言う奴って純は大きらいだって知らないのか?」
「・・・・・・」
「まだわかんないか?」
「・・・・・・」
「別に黙ってるのは勝手だけど、純は今、俺がお前と会って話してること知ってるぞ、
戻ったら、『勝負しろ』の話するぞ、純はなんて言うだろうな?
・・・っていうか 高校生が何の勝負するの?
お前、ひょっとして、本当は 非モテボッチの中二病こじらせバカか?
・・・ばっかじゃないの」
プッチンと音がして切れた俺は、暴言を吐きまくった。
「・・・・・・」
「お前、その勝負に負けたらあきらめるのか? ふ~ん、負けてあきらめ程度の『好き』なら知れてるな、俺は勝とうが負けようが絶対あきらめない、それだけ好きなものは好きなんだよ。
この時点でお前負けてるよな」
「・・・・・・」
「工藤、お前、純の事が好きなんだろ」
「・・・・・」
「ひょっとして、1年の時からか?須藤と付き合ってあってた時からか?」
「・・・・」
「そっか、
それで、須藤と別れたって聞いて頑張ろうと思ったら、俺がでてきたんだろ」
「そうだよ」小さな声
「お前、ちゃんと純に好きって言った事あるのか?」
「・・・・・・」
「ないんだー」
「・・・・・・」
「そもそも、それじゃあ話にならないだろ、
あのな~いつもお前の周りでキャーキャー言ってる女子と純はまったく別だって気が付かなかったのか?純から告白してくると思ったのか?」
「・・・・・・」
「そりゃ無理だよ、純がそういう人間じゃないっていう事がわからないって・・・、
お前純の何を見てた?
あんなにいつも一緒にいたのに、純を全然見ていなかったんじゃないか」
畳みかけるように話を続ける。
「そんなんで、純のどこを好きになったんだ?ひょっとして一目ぼれ?まさかね、それは純に失礼だよ、純はそういう連中にどう対処してるか知ってるよね」
「ああ、だから言えなかった」小さい声でぼそぼそと
「そっか、あれだけ一緒のグループにいたのに、わからなかったのか?」
「帰りのHRが終わるとすぐに野球部に行ってたし、あいつと別れてからは、まっすぐに家に帰ってたから」やっと話すようになった
「そうだよね~」
「帰りに、遊ぼうって誘っても断られるし、バクドだけでもって誘っても用事があるからって」
「そっか、残念だね、でもこればかりはしょうがないよな~」
「なにが」
「いや~、あれだけ一緒のグループにいて、須藤と別れてフリーになっても、工藤を見なかったんだろ」
「・・・・・・」
「工藤ってそもそも告白した事ある?」
「・・・・・・」
「ないんだ」
「ああ」
「工藤、お前、まずそこから始めないと 本当に好きな彼女、一生できないよ」
「・・・・・・」
「キャーキャー言ってくる女子から 彼女見つけるなら、それでも良いけど、それならますます純は無理」
「・・・・・・」
「っていうか、ゴメン、純はもう俺と付き合ってるから、指輪見たろ、うれしそうに皆に見せびらかして喜んでるのも見てただろ」
「・・・・・・」
「わかってるんだろ?」
「なんでおまえみたいな奴に・・・」
イッキに詰めるつもりで話す。
「工藤、お前、純のために何かした事ある?純が何をしたいか考えたことある? 俺が見てる限り、ないよね。」一呼吸おいて続ける。
「純が須藤と別れたいけど別れてくれなくて怖いって言った時、お前何かした?
何もしてないよね」そのまま言い続ける。
「武村が幼馴染だって知った時、純になんて言った? 危ないから付き合うなって言ったんじゃない?それって工藤の一方的な考えで 純の思っている事じゃないよね」
「純の幼馴染だって言った武村と話した事ある? ないよね」
「それって全部純の事考えてないじゃない」
「去年から、純の周りで起きてることに何もしてないよね、工藤も五条も山下も、そのくせ文化祭でも、修学旅行でも、自分達の都合で純を取り込もうとしてたよね」
「・・・・・・」
「わかるだろ、武村も田代さんも中野さんも当然俺も純の事考えてる、純に何かあれば純のために行動する。普通どっちの人間を信用する? 好きになる?」
「もうこれ以上言わせるなよ、これ以上つきまとうのはやめてくれよ」
一機に話続けて・・・自分で震えてるのがわかる、見破られないように・・・・
「・・・・・・わかったよ」
「じゃあ、はっきり言ってくれ、わかったよじゃなくて、つきまとわないって」
「ああ、もうつきまとわないよ」
「うん、りがとう、じゃあ、さようなら」最後の言葉を強調した。
(あ~、純は俺の物、で俺は純の物 って所有物みたいなんだけど、
ややこしいから工藤には内緒にしておこう)
「さ・よ・う・な・ら」
【執拗な奴と決着】
「さ・よ・う・な・ら」もう1度繰り返す。
しばらくじーっとしていた工藤はそれ以上は何も言わず、去って行った。
疲れた。
バイクがなければただの人、3科目以外は底辺人間、国語力だけが頼りの俺は言葉で納得させるしか手はないから、ずーっとしゃべり続け、なんとか引き下がらせた。
何とかケリはついたと思ったら一機に疲れが出て、震えがとまらない・・ベンチに寝転んで目を瞑ってしばらくじーっとしていた。
ふと気が付くと、コーヒーパックを持った武村と心配そうな顔をした純がいた。
「ほら」そう言って武村がいつものコーヒーパックをくれた。
「あっ なんか 久しぶりだな~」
「あたりまえだ、もう利息は終わったからな」
「うん、そうだね、ありがと」
「ああ」
「また貸しかな?」
「ああ、貸し」「ハハハ」
「かっちゃん、大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「よかった」
「じゃあ、な」
「いっちゃん、ありがとう」
「おお」
そう言って武村が帰って行った。
「2人で来てくれたんだ」
「うん、HR終わった後、2人でどこかに行ったから、いっちゃんに話したら一緒に探してくれたの」
「そっか、あー、また武村に助けてもらっちゃったね」
「ううん、私を助けてくれたのはかっちゃんだよ」
「純、ちょっと疲れてるから、しばらくこのままでいい?」
「じゃあ、ご褒美」と言って、膝枕をしてくれた。
純の膝枕って初めて、こんなに気持良いんだ~、そのままうとうと寝てしまって、校門が閉まる時間になって、純のキスで起こしてもらい、あわてて帰った。
この日は結局予備校をさぼってしまい、純が田代さんと中野さんにRINEでその旨伝え、俺は2人にあやまって、疲れたから言って純のベッドで横になって、純は一緒に寝て俺にだきついて、でもそれだけで、そのままバイクで帰った。
帰り際に思いっきり純に抱き着かれ なが~恋人キスをして。
【5人の仲間】
次の日、昨日の工藤との決着がついたと思っているが工藤がどうでるか心配だけど、いつもどおり 公表したから純と手をつないで登校、一緒に教室に、工藤を見ると純に挨拶するだけで、おとなしく五条達と話していた。
ケリがついたカナ、とりあえず一安心。
朝のHRが終わり、1限目の先生がくる前、田代さんが俺に、「武村君ってあんな感じなんだね」
昨日のお昼に純を通してお互いに挨拶した時の印象。
「うん、いつもあんな感じだから、慣れれば大丈夫だよ」
「うん、そう思った。それと高谷君と仲良いんだって思った」
「うん、いつのまにか、そんな感じになって、純の幼馴染だから、何かあると相談してるんだ、あんな感じで言われるけどね」
「でも、ちゃんと考えてるって感じがした」
「そうなんだよ」
「うん、そう思うと良い人かも、って思う」
と話していると、先生が来て授業が始まった。
いつものように、お昼3人と俺、そして武村の5人。
その前に、10分休みに、俺はちょっといたずらというか悪さをしようと考えた。
「田代さん、武村の弱点教えようか」
「えっ、何?」
「あいつの弱点」
「うん、おもしろそう」
「あのね、あいつ、純の妹の恵ちゃんとつきあってるんだ」
「えーっ、ほんと?」
「ああ、俺達に隠れてしっかり付き合ってたんだよ、あいつの指見て見なよ、左薬指に指輪してるから、あれ恵ちゃんと一緒」
「それって高谷君達と」
「そう、俺達が買うって言ったら、その話を聞いて自分もこっそり買って、恵ちゃんにプレゼントしてたんだ」
「えーっ?武村君がー」
「そう」
「信じられない」
「今日のお昼に指輪の事聞いてみたら」
「おもしろそう、でも・・・」
「大丈夫、怒ったりしないから、もしもの時は俺が入るから」
「じゃあ、やってみる」
10分休みの時に中野さんにもその話をしたらしく、お昼、いつものように5人で学食
田代さんが、
「あの~、武村君のその左薬指の指輪って村井さんのとは違うよね」
「あ?」武村がびっくりしている。
俺は武村に見られないように、顔を隠しているがニヤニヤがとまらず・・・純に見つかった。
純は、俺に気づいて乗ってきた
「うん、私のは、かっちゃんとお揃いだから、いっちゃんとは違うのよねー、ねー、いっちゃん?」
今度は中野さんが、
「じゃあ武村君のは、誰かとお揃いなの?」
「・・・・・・・」武村が困っている・・・あんな顔見たの初めてだし、純は最初出会った頃、俺をからかっていた時の顔してるし、なんかなつかしいな~。
「ああ」
「えっ? そんな人いるの?」
中野さんも役者ですね~
武村があんな困った顔しているの、初めて見た。
ニヤニヤが止まらず見られないように必至で、でも武村に気づかれないようにと1人
下を向いていたら、それが不自然すぎたようで
「おい、高谷、お前だろ」
「えっ、何が?」
「お前、顔に出てるぞ」
「も~、かっちゃ、ヘタ、すぐ顔に出ちゃうんだから」と純。
「フフフ」と3人が笑う、俺はニヤニヤ、武村は真っ赤。
「おまえ~」と俺の脚を小突いた。
「いっちゃんはロリコンだもんね~」と純の爆弾発言。
「えーっ」田代さんと中野さん
「私の妹って、1つしか違わないけど、背は150ちょとしかなくて、顔がかわいくて中学生にしか見られないの、でも胸は私より大きいんだよ~」
「そうなの~?」田代さんと中野さんがユニゾる
「純、お前―」 ずーっと真っ赤のままの武村
「武村君、って以外とやることやってるんだー」
「ほんと、以外―」
田代さんと中野さんの武村に対する印象がかわっているがわかる。
「ああ」って、武村も何か言えばいいのに、それだけ?
お昼にこういう事があってから、武村と田代さんと中野さんの距離が縮んで、
それからは学校でも3人は挨拶するようになり、相変わらず武村は言葉数が少ないけれど、田代さんや中野さんに声をかけるようになっていた。
人は1度悪い評判が付くと、なかなか変わらない。
武村は俺と知り合ってから、他の危ない連中とは一切かかわっていない。
でも回りは武村は危ない奴と認識してから、今でもそう思われており、田代さんや中野さんが声をかけられたり、2人が武村に話かけているのを見て脅威・畏怖の目で見ている。
武村は去年から予備校に通ってる真面目お勉強人間なのに、俺達以外誰も知らない・気づかない。
そいういう目で見ている連中にいちいち弁明しても面倒だし、武村本人も俺達もこのままで良いと思っているからいいんだけど。
5人で、普通に授業を受け、学校が終わると予備校に行って、予備校の日は夜が遅いのでそのまま帰るけど、次の日が休みの時にバクドで雑談、そういう日々が過ぎている。
3月20日ちょうど金曜日で明日は塾がなく、学校も午前授業、純の誕生日。
5人でファミレスでケーキとドリンクバー、プレゼントは受験生らしく、ちょっと凝った文房具。
その週の日曜日、20日は皆でお祝いしたから、ちょっと遅れて2人だけの誕生祝い。
夜は家族でお祝いする、との事なので、朝から2人でデート。
「今日くらいは勉強なしであ・そ・ぼ」と2人とも同じ考え。
と言っても、やはり受験生、どこかに勉強が頭にあって、大々的に遊べずに、結局、話題の芸術家の作品が来日しているとかで某美術館に行って、そこの2階?3階?にある有名なレストランで3000円のランチ。
「純、ごめんね、頭のどこかに勉強があって、本当なら水族館とか遊園地とかかなんだろうけど、ここになっちゃった」
「ううん、いいの、実は私もそうなの、でも、美術館ってステキね、それにこんなおいしそうなランチでうれしい」
「うん、純の誕生日だから、こういうのがいいかな、って思って」
「うん、うれしい」
いつものようにシェアして、デザートの時に小さい声で『ハッピーバースデイテュミ』をうたって満足。
美術館の展示場内の出口付近にある、グッズショップで、純にその芸術家作品をモチーフにした高めのピンバッジを買って誕生日プレゼント。
そうしたら純が、『お揃がいい』って言って、違う作品のピンバッジを俺にくれて、見る人が見ればお揃いとわかるピンバッジ。
結局3人と恵ちゃんにもそれぞれ違うピンバッジを買って次の日に学校でおみやげとして配った。
仲間が5人になって、それぞれ皆の誕生日は、予備校と学校が休みの前日にファミレスでケーキとドリンクバーでお祝い、それぞれ文房具をプレゼントすることに。4人からもらうので、結構なボリューム。
皆凝った文房具で、使ってみると面白い、便利な物ばかり。
武村だけ製図関係のジョットジングの3色+1のずっしりした高級そうなペン、「そんなに高いのはダメだよ」って言ったのに、「もう4人分まとめて買った」。
‥‥‥。
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