高校2年生ー恋人になって

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高校2年生ー恋人になって

 【夏休み―恋人になった次の日】 スマホのアラームがいつもどおりの時間に鳴ったので、昨日の事があってなかなか眠れなかったけれど なんとか朝起きるころができ、自分でトーストとカップスープで朝食をすませ、村井さんにRINEした。 1分もしないうちに村井さんから、「「今朝食が済んだところ、いつ来ても良いよ」」 と返事が来たので、「「今から行っても良い?」」「「うん、待ってる」」 一応鏡を見て、寝ぐせを直して、バイクで村井さんの家に向った。 風が気持ち良い、バイクに乗って、風が気持ち良いのはいつものことだけど、今日はこんなに気持良くって、街中を走っているのに、夏暑くてムシムシしているはずなのにさわやかな気分。 15分ほど走ると村井さんの家、バイクを昨日言われたところにとめ、門のピンポンを押す、 「はーい」村井さんだ、玄関から村井さんがでてきた、まずい、今日はショートパンツ……あんな生脚見たら…… 「おはよう」って顔を赤くしながらもじもじしないでよ、もうはずかしいよ。 「おはよう」 昨日から、いつもの村井さんじゃなくて、女の子になってて・・‥‥見た目はすっごいのに仕草がかわいいって、最強。 「少しでも早くって思って、きちゃったよ」 「‥‥‥うれしい、でもバイク気を付けて」 「うん、大丈夫、そこは安全運転だから」 「うん、じゃあ、あがって」 「うん」そう言って、そのまま人で村井さんの部屋に入った、今日は丸1日村井さんと2人きりだ。 何も言われなかったけど、そのまま村井さんのベッドに腰かける。 村井さんも「ちょっとまっててね」と言って、飲み物を取りに行く。 なんか、もうずーっとつきあってて、何度も村井さんの部屋に来たことがあるような対応がうれしい。 村井さんが氷のはいった麦茶を持ってきて、隣に座る、俺はにっこりして村井さんの唇にチュっとすると、村井さんはニッコリわらって、俺にむぎゅとだきついてくれる。 「へへへ」   「ふふふ」 あの村井さんが、ラブコメのヒロインみたいになってるよ。 最初は、やっぱり昨日の今日、お互いちょっとぎこちないけど、普通に話をして、気が付けばキスばっかりしていた(おっぱいも触っちゃった)。 お昼になったので、何を食べるか相談して、村井さんがそうめんを見つけたので、簡単にそうめんをゆで、村井さんの妹の分を取り分け、2人で食べて、また村井さんの部屋に戻った。 それから、俺は高校受験に失敗した事、俺の前の彼女の事を話した。最後に2股をかけられ、そして振られたことまで。 それを聞いて、「私はそんなことしないよ」 「うん、俺もそう思う」 「どうして?」 「だって……」今回の村井さんのとった行動を、昨日思った俺目線の話をして、だからちゃんとまっすぐに村井さんを見ていることを伝えた。 村井さんが俺の顔をじーっと見ていたので、思わずベッドに倒してキスをして・・・もう俺のモッコリ君が……。 2人ベッドの上で「俺、ますます村井さんの事が好きになってる」というと、「うれしい」と言ってにっこり、軽くキスをして……服を着てから「コーヒー飲む?」 「うん」 2人で1階のリビングに降りて、村井さんがコーヒーをいれてくれたので、それを飲みながら、学校が始まってからの2人の関係をどうするか相談した。 RINEで一方的に伝えただけ、別れをはっきり言えれば良いけれど、そういう事をする奴だから、何をしてくるかわからない、だから周りを固め、あいつを牽制するには、村井さんが彼と別れたいけど、彼が拒否して何かしてきそうで怖い、という事を周知させる。そのために同じクラス友達には知らせた方が良い、と思った。 新しい彼氏が、俺という事を村井さんは学校で言いたかったみたいだったけど、それがわかると、村井さんが簡単に他の男に乗り換えて今カレを振った悪い女に思われるかもしれない、それにあいつがまた無理やり、だから、それはしばらく様子を見るということになった。 最初はその事に難色をしめしていたけど・・・・・・どんどん女の子になってるんだけど、クラスではいつもの村井さんらしくしてほしいとお願いした。 村井さんが一緒に帰るっていうのをやってみたい、と言ったが『それはあいつときっぱり別れるまでは我慢しよう、そのかわり、秋から同じ予備校に通うんだから一緒に帰ろう。 そして休みの日はバイクで村井さんの家に行くから、それからデートしよう』という事で納得してもらった。  いつもは、バイクを学校の裏の見つからない場所に止めて、それで予備校に通っていたけれど、村井さんが妹から聞いた話では、武村も秋から予備校に通う事になっているらしく、2人ならそのままバイクでも・・・・・・がしかし・・・・・・学校から予備校へは3人で電車通学になった。 今まで1人でのバイク通学は、早いし、楽だったけど‥‥‥これからは村井さんと一緒だし・・‥‥彼女と一緒に予備校・・‥‥ちょっと昔の高校受験の時を思い出してしまった。 それから、予備校が始まるまでの数日間だけど、毎日村井さんの家に行ってキス、『今までの全部を上書きするの』、毎日だった。 村井さんは、初めて人を好きになって、そうしたらずーっと一緒にいたい、って言って・・・やっぱり2人キスだけでは収まらず、最後まで……そうなってしまった。 その日、村井さんは顔を赤くして、モジモジしながら、好きな人と1つになるって、こんなに気持良いものだと思わなかった、こんなの初めて――‥‥‥男としては征服感で大満足、身も体も・・‥‥いや、身も心も1つになったと実感した数日間だった。 【夏休み-予備校の後半】 予備校の後半は、俺はいつもより早く、道路が混みはじめる前にバイクで村井さんの家に行き、バイクをそこに置いて村井さんと一緒に予備校に通う。 駅まで一緒に行って、武村と待ち合わせて3人で予備校に行く。 帰りも3人で一緒に帰って、村井さんの家におじゃまして、いちおう復習して、やっぱりキスしたり……結局……服を着て、そしてバイクで帰る。 初日、武村が俺達2人を見て、びっくりすると思ったのに、普通対応だった。 村井さんの妹がRINEで武村に逐一連絡していたらしいく、俺達が付き合い始めたことも当たり前のように知っていた。 2人してがっかりしていたけど、武村は妹のおかげで余裕対応、ちょっとお面白くない。 夏休みのある日、村井さんの妹が俺に話があるという事で、その日はキスだけでがまんして、3人でリビングで話をした。 「はじめまして、妹の恵といいます」 「はじめまして、お姉さんとお付き合いしている高谷克己、と言います」 「高谷さんの事はいっちゃんと姉から聞いてます」 「はい」 「あの、いっちゃんの事、ありがとうございます」 「はい?」 「いっちゃんがあんな風になってから、ずーっと『自暴自棄になっちゃだめだよ』って言ってたんです。でも、彼、もうどうでもいい、すごいなげやりになってて・・・ずーっと 言ってたんです。・・・そしたらこの前、母親に連絡したって、弟と話しをしたって、そして大学に行くって、夏は予備校だって・・・うれしくて・・・」 「はあ」 「先週、いっちゃんがショッピングモールに行くから付き合えって誘ってくれて、2年ぶりに・・・うれしくて、あいかわらずの恰好だったけど、昔みたいに話ができて、やっと元に戻ったんです」そう言って涙ぐんで、そうしたら村井さんももらい泣きしていて……。 まあ、俺は良い事をしたんだ。って思ったし、この姉妹には、好印象な俺、を実感した。 きょうはキスだけだったけど、充実した日でした。 帰りに耳元で「できなかったね、明日も来てほしい」って真っ赤な顔でもじもじしながら言われちゃって、もうドキドキ。 夏季講習も終わり、夏休みも残り3日となった。 相変わらず、俺は村井さんの家に行って、2人でショッピングモールに行ったり、近所の大きめの公園にバイクで行ったりしてデートを楽しんでいた。 武村の事でちょっと気になって、村井さんに「ねえ、なんで武村が俺の事、気に入ったか知ってる?」と聞いたら、 「恵から聞いたんだけど、高谷君、いっちゃんが街の方で路地かなんかで、大人の人達に暴行されてたところ助けた事ある?」 「ああ、うん」 一番最初のきっかけの事だ。 「あの時、いっちゃんは友達と4人で遊んでたんだって、それで、見た目があんなんでしょ、それで大人の怖い人達と何かあって、けんかになった時、他の友達がいっちゃんを置いて逃げたんだって」 「そうなんだ」 「うん、それを助けたの?」 「まあ、そんなとこ」 「高谷君って強いの?」 「ううん、弱い」 「えっ?」 「ほらバイクだったから、バイクの運転について父さんに特訓されたんだ、だからそれでうまく武村を乗せて逃げられたんだ」 「そうなの」 「うん」 「いっちゃん、はっきり言わなかったらしいだけど、結構危なかったみたい。 一緒にいた友達は危なくなったら、いっちゃんを転ばして、自分達だけ逃げたのに、それを全然知らない高谷君が助けてくれた、って、それから色々話をしてくれたって」 「そっか」 なんとなく、武村が俺を気に入ってくれた理由がわかった。 でも、俺そんな、けんかしたことないし、絶対弱いし、たまたまバイクだったから、逃げられたけど、普通に歩いていたら・・・無理だった。まあでも結果OKかな。 なんとなく武村の事もわかったし、村井さんは本当に俺の事好きになってくれてるし、 短い期間だけど、とても充実し、そしてとても深―く2人はちゃんと恋人同士になった。 だって出かけても帰りは村井さんの部屋でキスして……そして……だもの。 夏季講習の中休みの日にあんなこと言われるし、それにキスしてたら、やっぱあの胸だから・・・そうしたら村井さんが反応してくれて・・・俺は我慢できず……なってしまうんだ。 最初、あいつにこんな体にされたのかって嫉妬したら、村井さんがこんなになったの初めてって、高谷君のものになっちゃったって言われて、なんかうれしくて、俺も村井さんのものになっちゃったよ、って2人で見つめあってニコニコ。  【学校では】 学校が始まると、俺も村井さんにべったりになっていた。でもクラス内では、奴の事もあるから……難しい。 予備校のある日は、行き帰りの村井さんと一緒にいようと思い、朝早くバイクで村井さんの家に行き、一緒に学校に行く、時々武村が駅にいるけど、あいつはたいて遅れて来るくるからギリギリになる、だから、待たないで2人で電車に乗って、でも改札を出るときに、バラバラに。 だいたい改札を出ると、うちの学校の生徒がいて、その中に村井さんのグループがいる時があるし、それに村井さんは有名人だから、誰が見てるかもわからない。 少なくともあいつときっぱり別れるまでは、2人の関係は秘密にしておく、ただ予備校の授業がある時は帰りが遅いし、あいつは3年で部活は終わっているから時間が自由、村井さんの帰り路で・・・村井さんが危ないと思い提案した。 村井さんは、最初、俺に無理しないで、と言ってきたが、やっぱり心配なので、当分の間だけという事で、そうしたけど、村井さんは、『本当はね、とってもうれしいよ 』と言ってくれ朝と帰りが一緒。 こうやって見ると、単なるバカップルみたいだけど、恋愛経験のない村井さんが初めて人を好きになって、心をコントロールするのが難しく、いつも一緒にいたい気持ちが強いらしい。 学校の教室では、村井さんが、彼と別れたいけど彼が別れるのを拒否してその仕返しが怖い。 カーストグループの中でそう言ったところ、その中に野球部の人間がいて、あいつに確かめたところ、あいつは、そんなことはない、ちゃんと付き合ってる、推薦を受けている大学の野球部と一緒に夏合宿に参加し、学校が始まってからも大学の方の練習に参加している、だから純と会ってないだけだ、と言ってきたらしく、村井さんはスマホのあいつへの『別れます』と拒否リストのところを見せて自分の方が正しいと説明した。 それでカーストグループの連中はなんとか納得したけど、それからが大変だった。 その次の日からカーストグループは5人程度だったのに、昼休みとかは10人くらいに膨らんでいた。 “村井さんが彼氏と別れたみたい“という話を聞いて、カーストグループの友達連中までも昼休みになると押し寄せてくる。 それだけじゃなかった。毎日のように、知らない3年や別のクラスの男子が、村井さんを呼びに来る。 その都度断っているけど、時々しつこい人もいて怖いからということで、俺からもお願いして武村に一緒についてもらっている。 俺が行けば一番良いのだけれど、まだあいつとケリがついていないから、ちょっと離れたところで見守るだけ、嫉妬が・・・・・・我慢。 面白かったことは、武村が俺を呼びにクラスの入り口に来た時、村井さんが「いっちゃん」と呼んで武村が「おお」と言った時の皆の顔、特にトップカーストの連中。 純が問い詰められたらしいけど、武村とは小学校から一緒で家も歩いて5分くらいの近所、昔からの幼馴染と言うと、納得するも、『あいつは危険だから近づかない方がいいよ』とアドバイス?があったそうだ(笑)。 俺は予備校の帰りに、一緒に帰る時に村井さんが今日あった事を話してくるので、「大変だね、もうちょっと我慢してね、側には必ず俺か武村がいるから大丈夫だかね」って慰める。 当初、予備校のある日だけだったのが、いつのまにか、毎朝村井さんの家にバイクで行くようになっていた。 ただ、電車の中は、村井さんがあまりにも有名人なので、村井さんが見える位置でストーカーみたいにしている。 ちらちら俺を見てそこにいるのがわかると安心するみたい。 帰りは、電車を降りて改札を出ると、村井さんが俺にべったりくっついて、歩きにくいけど・・・うれしい、村井さんの豹変ぶりっていうかヤンデレが激しくてちょっと驚いてるけど。 いつのまにか、行きも帰りも一緒になっていた。 1人にするには危険だし、村井さんも怖いみたいだから、でも一番の理由は一緒にいたから。 学校では、いつものあの村井さん、2人きりの時は女の子の村井さん、2人きりの時の村井さんは誰も知らない俺だけの村井さん。 学校が始まって最初の頃、村井さんが 「武村君をいっちゃんって呼んで、いっちゃんは私の事を純って呼んでるのに、なんで恋人の高谷君は私を村井さんって呼ぶの?私も高谷君のままなの?」 と言われ「じゃあ2人きりの時は、名前で呼ぶようにしよっか」 「うん」 それから、村井さんは俺の事を「かっちゃん」 俺は村井さんの事を「純」と呼ぶようになった。 こわいのは学校にいるとき、ときどき間違えて名前で呼びそうになる。 村井さんも俺の事を「かっちゃん」と呼びそうになって、ごまかすのが大変だった。 学校では村井さんとはあまり接触しないけれど、武村がいるときは3人になることがある。 そんな時は「かっちゃん」「純」「いっちゃん」なので、武村が教室に戻った直後なんか そんまま名前で呼びそうになって、ばれそうであぶない。 純があいつと別れたという噂が広まっているのにあいつは、いまだ動かない。 どうしてだ? 俺から動くと、俺が人の彼女を寝取った、とか言われる可能性もある。 武村も純が軽い女に思われるから、あいつが動き出すまで我慢しろ、って。 純のためにも早くケリを付けたいけど・・・。 【SIDE 村井-気づく】 高谷君と付き合う事になって、夏休みに2人の間がどんどん深く、深~く、もう1つになってから、いつも高谷君の事が気になってしょうがない。 学校では、まだ秘密にしよう、と言ってきたので、あの人がきっぱり別れてくれるまでは我慢しているし、いつも私の周りには友達が集まってくるから、なかなか高谷君とお話ができない。 でも気が付いた。チラっと高谷君を見ると、なぜか女子と話している事が多い。 高谷君が自分の席に着こうと歩いていると、途中の席の女子が高谷君に話しかけて、高谷君はそこで一度立ち止まって、その女子と楽しそうに話してから席につく。 席についたら、隣の女子や、時々その子の所に来ている女子と3人で話している時もある。 この前なんか、トイレに行こうと廊下を歩いていたら、高谷君がいたから話しかけようと近寄った所、別のクラスの女子が教室から出てくるところに高谷君が通って、その女子が高谷君に話しかけて、そのまま2人で話し込んでいた。 それを見て、私は高谷君に話しかけるチャンスを逃してしまい、1人でトイレに行って帰ってきたけど、その日はすっごいモヤモヤした気分だった。 帰りに駅の改札を出て、『かっちゃん』って言って思いっきり抱き付いて解消しようと思ったけど、それだけじゃあモヤモヤは解消しなくって、結局 無理を言って高谷君を私の部屋にあがってもらって、しっかり愛し合ってなんとか落ち着いた。 だって、大好きな人とすることがあんなに気持良い事だって初めて知ったし、あの時が一番愛されてるって感じるんだもの。 でも、気が付いたの、知らなかったの。 最初、高谷君の名前を知らなかった時、近くの女子に聞いたら、 「「 見た目はおとなしく見えるけど、話しやすくて、信頼できるとっても良い人」」と教えてくれたんだった。 彼は、席が隣になったり、同じ当番や同じ委員で一緒にいて話す機会がある女子は皆彼を良く思うんだ。 私も、隣の席になった時、その時は、まだ野球部のマネージャーをしていたし、カーストグループの友達に呼ばれることが多かったから、それほどは話さなかったけど、そんな印象だった。 そしていっちゃんがかっちゃんの所に来るようになって気になりだしたら、だんだん・・・こんなに好きになったんだもの。 彼と親しくなった女子の何人かは‥‥‥。 周りの女子達からキャーキャー言われるようなタイプじゃないけれど、彼と話すようになって親しくなった女の子の中に、確実に彼を好きになる子はきっといる。 そう思うと胸が苦しくなってきた。 かっちゃんはカーストグループのせいで目立たないけど、知り合いになった女の子を確実に・・‥‥、モヤモヤがとまらない。 彼が言ってくれた「―――そして、俺は純のもの」それと、私を×××で愛してくれることで、私だけは特別って思って彼を信じられるから。 だから、いっぱい愛して♡。 【静かな学校生活 -文化祭】 純と付き合い、純があいつと別れた―――と回りに言ってから、もう1ヶ月以上たっている。 あいつの耳にその噂は入っているはずなのに、あいつからの動きはない。 夏休みは大学の合宿に一緒に行き、学校が始まってからも推薦先の大学の練習に参加していると聞いたので、おそらくそっちを優先しているだろうけど、自分の物だからと慢心しているのか。 まあ、あんな事をするような奴だから、所有物くらいに思っているんだろう。 ずーっと気になってるんだけど、そうしているうちに文化祭がやってくる。 去年の文化祭・・・記憶にないというか参加しなかった。 文化祭の時は出席とらないから、学校に行く振りをしてバイクで遊んでた。 片道50kmくらいの普段は行かない郊外にある有名な公園とか、予備校もさぼったけど、純に去年は何してたか聞かれたので、この事を話したら、絶対に学校にいてほしいと言われた。 でも学校ではほとんど話はできないと言ったら、それでも近くで見ていたいからと言われ、まあ、今年は武村もいるし、バイクはやめて、文化祭に参加しようと思う。 文化祭にクラスで何をやるか・・・実行委員が決まって色々な意見が出ているようだけど、結局無難に喫茶店になった。 看板は、純。そしてクラスの2トップのもう1人トップカーストの竹下さんがメインの接客担当他多数の女子。 カウンターの中や、ときどき接客する男子は・‥‥‥トップカーストの男3人が主導で決める。 あいつらのお気に入りで固められ、当然俺は裏方。 食材や飲み物を調理室にある冷蔵庫から教室に運ぶ係。 男だけで10人くらいいるから、まあ余り者を寄せ集めただけ、何回か運べばさぼっても問題ない人数。 女子で仲良くなった田代さんや中野さんが、 「高谷君は何の担当?」 「うん、俺、荷物運び 」 「いいな~ 私も一緒にそれやりたい、接客なんて私には無理~」 「ははは」 帰りに、純から同じことを聞かれ、『かっちゃんと一緒にやりたいのに~』と言われたけど、あいつらが決めたことにいちいち逆らう気はないし、楽だからいいや、って。 後夜祭の最後はグラウンドで全校生徒が集まって何かするみたいだけど、純から必ず出るようにって言われたから、本当は久しぶりに1人でこっそり抜け出してバイク・・・・と思っていたのが、夜までいるはめになってしまった。 文化祭当日、俺のクラスの喫茶店は大盛況。純がいるから、少なくともそういう連中はいるだろうとは思っていたが、1年の男子まで純を見に来るとは思ってもみなかった。 おまけに一緒に写真を、とか言って勝手にスマホをかざすやつらが多くて、でもこういう時、トップカーストの連中が一生懸命止めていた。 いや~、俺の為に止めてくれてありがとう。 俺はたまに荷物運びをしては、ひっそり静まった食堂の前に行ってはコービーパックを買って座っていたら、何度も武村に出くわした。 「あれ?武村、なんでここにいるの?」 「お前は?」 「暇だから」 「そういう事だよ」 「そっか」 「おお」 2人で階段に座って、ぼーっとしながら、コーヒーパックを飲む。 隣を見ると、武村がイチゴミルクを飲んでいたので 「イチゴミルク好きなの?」 「あ?」 「それイチゴミルクだよね」 「・・・・・・恵が好きなんだ」 「ふ~ん」 こんなどうでもいいような意味のない会話をして、「じゃあ行くわ」 「また」 「おお」 のやり取りが1日に数回。  
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