深緑の眼は惹かれる④

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「そういえば西野くんは何の教科が得意なの?私は数学なんだけど」 「俺は現国と英語かな。逆に理数系は苦手」 「そうなんだ!それじゃあお互いに教え合えるね」  お互い得意不得意分野がわかれているということで、わからないところをお互いに聞き合って勉強していく。またどういう勉強方法がおすすめか、参考書は何を買っているかなども話した。  正直私は特に英語が苦手だったため、西野くんに教えてもらえて助かった。こうやってお互い勉強しているのが見えることで頑張ろうとも思えるし。 「さすがにちょっと休憩しようか」  18時を過ぎたころ休憩を入れることにした。集中力も切れてきたし、ちょっと何か食べ物を頼んでドリンクバーの飲み物でも飲もう。私がタッチパネルを触りながら何を頼もうか考えていると、スマホが震えた。  誰からだろう?西野くんに一言入れたあとスマホを見る。アサヒちゃんから連絡が入ってる。内容は部活が終わったため近くにいるならこれから一緒に勉強しないかというものだった。  どうしようか?西野くんに聞いてみて問題なさそうなら呼ぼうかな。 「西野くん、同じクラスの鈴谷アサヒって子知ってる?」 「え、うん。いつも早川さんと一緒にいる髪を下の方で結んでいる子だよね。覚えてるけど…どうかした?」 「えっと、アサヒちゃんがよかったら一緒に勉強しないかって連絡がきたんだけど、呼んでもいい?」  その言葉を聞いた途端、西野くんは一瞬暗い顔をしたあと「いいよ」と言ってくれた。…いいよって感じじゃなかったな、もしかして気を使わせてるのかも。  そう思いアサヒちゃんに「ごめんね、ほかの人と勉強してるから」と断りの連絡をいれた。これでよし。
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