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深緑の眼は惹かれる②
入学式から少し経ち、だいぶクラスメイトたちとも仲良くなってきた。
なんとなくいつものメンバーというものができたころ、授業でグループワークをすることになった。私たちのメンバーにはよく話す相島和也くんや友達の鈴谷アサヒちゃんと一緒のグループに。ちょっとだけ安心。
「それじゃあまず役割分担しようぜ」
そういうと和也くんはみんなの意見を取り入れながらテキパキと指示を出していく。なんだか意外だ、彼は確かにコミュニケーション能力は高いとは思っていたが、こんな風にリーダーシップもあるとは。みんな役割分担がおわったところで各自作業を始めることに。
「ちょっと奈緒、あれ大丈夫かな」
「え?」
アサヒちゃんが向いている方向を見ると、そこにはグループワーク中なのに孤立している西野くんがいた。そういえば西野くんお昼休みとかもいつも一人でいたな。
なんだか彼ちょっと近寄りがたい雰囲気もあるし、それでクラスの人たちも遠慮しちゃってるみたい。大丈夫かな?
「あー、あれはよくないな」
和也くんが私たちの間に入ってきてそういった。なんだかんだで面倒見がいい彼には見過ごせないんだろう。しかしグループワーク中にかまうのも良くないので、ひとまず授業が終わってから話しかけてみよう。
そうして西野くんのことを気にしながらも作業をしているといつの間にか授業が終わっていた。終わったとたん和也くんは西野くんの方へ向かっていく。
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