深緑の眼は惹かれる③

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 喫茶店に入り西野くんはアイスコーヒーを、私はアイスティーを頼んですぐに映画の感想を話し合った。あそこの場面で流れる曲が最高だった、主人公のあの行動はどう思う?私はあのバーでのダンスシーンが一番好き、俺はヒロインが一人きりで歌っていたシーンが一番かな、などなどお互い頼んだ飲み物がきてもほとんど手を付けず語り合っていた。 「いやー、本当によかった…、最後はハッピーエンドだったし」 「確かに、途中はらはらしたけど最後ハッピーエンドで安心したよね」  1時間ほど語り合った後、お互い氷の溶けた飲み物を飲んで喉を潤す。楽しい、やっぱり映画をみた直後に感想を語り合うのは楽しい。西野くんに会えてよかった。  そんなことを考えていると、彼は目線をうろうろとさせてどこか居心地悪げな顔をしながらこんなことを言った。 「今日はごめんね、避けるようなことをして」 「え?」 「俺、人づきあいが苦手で…、あの時もどう反応するのが正解かわからなくて」  ちょっと落ち込んだように肩を落としてそんなことを言った。なんだ、そんなことか。 「気にしてないよ、それより西野くんって映画好き?もしよければまたこうやって話さない?」  すると西野くんは少し驚いたような顔をした後、嬉しそうにうなづいた。そしてまた学校で話そうと約束してその日は解散した。  家までの道のりを歩きながら今日のことを思い返す。西野くん、思っていたよりも親しみやすい人だったな、これから少しずつ話しかけていこう。  そう決めた私は今度西野くんにおすすめする映画のことを考えるのであった。
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