おとぎ話のように

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 どうやら宇宙にとって地球人は危険な存在で、けれどいきなり星一つを消すと宇宙のバランスが崩れるとかなんとかで眠らせておくことになったらしい。 説明してくれるあたり、何も言わずに眠らせたり皆殺しにしたりするよりは人道的だということだろうか。  宇宙人がやることなのだから、寝付きの悪さが天下一品の私だって眠れると思っていた。だから、その時間が来て覚悟を決めて、あの人と一緒に布団に潜り込んだとき、眠れないだろうなんていう不安は無かった。  だというのに!  私は起きていた。  うとうととしていた記憶はある。このまま永遠の眠りについてしまうのだろうとぼんやりと思っていた。  そして、やはり眠れないなと起き上がったときも宇宙人が来たのは夢だったんだろうかと思ったくらいだった。  だが、冗談ではなかった。  今現在、私以外全員眠っているのだ。そして、何時間経っても何日経っても目覚めなかった。もちろん、目覚ましが鳴ってもおかまいなしだ。
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