過食の男

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過食の男

 あなたは、なぜ食べ物を食べるの?  生きるため?  それとも、食事そのものを楽しむため?  俺は違う。  俺は『安心するため』。  それも、普通の食事じゃない。  ストレスを払拭したくて、食べて食べて、食べまくる。  満腹を通り越しても食べて、やっと気持ちが落ち着く。満腹中枢が身体に安心感を与えてくれる。  でも、それはほんのひととき。  それからすぐに、トイレで吐くのさ。  信じられないだろう?  でも、それが俺の日課なんだ。  その後に襲ってくるのは、罪悪感。  あぁ、またやってしまったって。  そんな日々の繰り返し。  やめたくても、食べ物を探してしまうんだ。  もう、終わってる。  俺の身体と心は、壊れているんだよ。
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