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11:00am
「ゆいちゃん、今日何時ごろ来れる?」
翔がラインを送っていると、
「翔、そろそろ準備しないと、花の準備、シャンパンタワーのチェック、手伝ってもらう先輩キャストへの挨拶、やることいっぱいあるぞ」
先輩のタクヤに声かけられた
「はい、すみません」
「客への案内は前日までにすませろって言っただろ」
「あ、はい、すませてます」
「じゃぁ、なんで・・・」
翔がホストの仕事を始めてから約半年。
工場の期間工の仕事が満了になり、仕事も住むところもなくなって途方にくれていたとき、スカウトされて、住み込みだという一点で決めた
人付き合いが苦手で、目立つのも苦手、
ホストには向いていないとわかっていながらも、寮の居心地がいいからいつの間にか半年すぎていた。
だけど今日はバースデーイベント、
一年に一度、否が応でも主役になる日だ。
えっと、まずは花屋へ、胡蝶蘭の確認だな。
なにもかもが初体験なので、先輩に言われるまま、翔は動き始めた。
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