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ルクルは今から二百年前に、天上界にてその生命を受けた。ティアが生まれたときより、ちょうど百五十年あとのことだ。神は歳をとらない。ただ、その生命の中に、知識や経験を埋めていくことによって、彼らは成長していき、その姿も変わっていく。今はまだ幼い見た目のルクルも、神に命じられた修行をこなしていけば、立派な青年の姿へと変わる日が来るのだろう。
「ここ、学校だな」
ティアの発言に、ルクルは頷いた。知っている。前もここと似たような場所に来たことがある。
トイレを出ると、正面に手洗い場があった。そこには鏡が設置されていたが、ルクルとティアの姿は写っていない。手を洗おうだの、うがいをしようだのと書かれたポスターを横目に、二人はそこを通り過ぎる。
「真っ昼間なのに、人っ子ひとりいる気配がしねえ」
「日曜日だからでしょ。人間は、日曜日に休息をとることが多い生き物だって、前に覚えたじゃん」
「チッ。知ってるよ。おれはただ、おまえの知識を試しただけだ」
嘘だ、とルクルは思ったが、口には出さなかった。
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