激しい雨音と私のじーちゃん

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 悲しい時に雨が降ると気持ちが沈む人が多いと思う。というか私の周りの人はそんな人ばかりだ。  でも私は違う。  私は特別だから違うとかそんな見栄とかじゃなくって、単純に私は雨音が好きだ。  しとしとしたもの  サァァ、と霧のようなもの  バケツをひっくり返したようなもの  風と共に横殴りしてくるもの  どれも傘をさせば防げる。合羽を着ればもっと防げる。さらに言えば家の中にいれば洪水さえ起きなきゃどうとでもなる。  中でも一番好きなのは、窓を叩き割ろうとせんばかりに強く打ち付ける激しい雨。車の屋根を突き破るんじゃないかってくらいに打ち付けてくる弾丸のような雨が私は好き。  その雨音は周囲の声を消してくれる。雨の音だけを響かせる。まるで世界が雨音で覆いつくされたかのような一瞬の世界を作ってくれる。  私はその世界が好き。       そして雨音に包まれた世界で私がやることは決まっている。 「ばかやろおおおう!」  雨の中、合羽を着て全力で叫ぶの。  それが好きだから、私は雨が好き。
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