未完成

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未完成

人はいつ完成するのだろうか。 いつになったら未完成でなくなるのだろう。 眠りにつく前、必ずそんな事を考えてしまう。 初めて死を意識したのは小学3年生の時だった。 産まれて間も無くして、埼玉県にある乳児院の前に、ダンボールに入れられて放置された子供の気持ちが、はたして誰に分かるのだろうか。 いや、決して分かってほしいというわけじゃない。 誰にも分からない孤独を、ただ理解してほしかっただけなのに。 矛盾してるよね。 でも、これが現実。 僕の名前は日向義之。 これは僕が生きてきた、ほんの数十年の物語。
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