体育祭

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体育祭

あれから仕事がない時は生徒会室に行って仕事の手伝いをしたり、ご飯を作ったりした 転入生が来て一ヶ月がたった頃 体育祭の準備に取り掛かっていた 流石に忙しいなか風紀委員長がいないと大変なのでいつもは午前中の合間に行っていたが、今日は随分と遅くなってしまった ノックを数回して入る前に扉が開き突然抱きしめられた なんだ!? 「ど、どうした!?」 抱きしめられ首筋に顔を埋められ、 「おそいじゃないか」 と言われもっと強く抱きしめられる その声があまりにも無機質で僅かに怖いと思ったがお得意の無表情で 「入るぞ」 と、一声かけて抱き着かれたまま生徒会室に入る 皇を離そうとしたが無理だった為そのままソファーに座る 「「……」」 沈黙が気まずい 「どうしたんだ」 「風紀の仕事が忙しいのは分かってる…… すまん」 一言謝り名残惜しそうに離れていった あの出来事から気まずくなって最低限しか生徒会室に行っていない 理由を皇に聞かれた時には忙しいからと言ったが、間違ってはいない 風紀も体育祭で忙しくなっているからな それから暫くして体育祭が始まった 「はい!!体育祭の 司会を担当する放送委員長の静博 奏斗だぁぁぁああ!!お前ら盛り上がってるかぁぁああ!!!」 うおおおおおおおおおおおお!!! 暑苦しい挨拶と共に始まり、第1競技第2競技と進んでいき俺の出る競技の番になった 俺の出る競技は500mリレーだけだ 勝手に決まっていた 「お!500mリレーに出るのは… 泣いた赤子が更になく鬼の風紀委員長だ!!!」 きゃあぁぁぁーーーーーーーーーー!!! なんだその不本意な紹介の仕方は と思ったがもちろん顔に出していない 「そして、そして、生徒会から 我らが何様俺様皇様の生徒会長様だぁぁああ!!!」 きゃあぁぁぁーーーーーーーーーーー!!! 「やはり、この御二方が注目ですかね ワトソンくん」 「俺はワトソンでは無い!和歌寸(わかそん)だ!! あ、私も司会進行を努めつとめます そうですね 注目はやはり御二方ですね」 元気な司会だなぁ〜と思っていると順番がくる為スタートラインに並んだ 一緒に皇が並んだのには驚いたが、皇は足が速いのでアンカーを任せられるかと納得した そうして、順番がきて殆ど一緒に皇と俺はバトンを受け取った
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