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結果は…僅差で俺が負けた
肉眼では分からなかったのでビデオカメラで判定をした結果だ
別に悔しくはないが(めっちゃ悔しがってます
それから、昼休憩に入り生徒たちは殆どが食堂に向かっている
俺も例外なく食堂に向かった
いつもなら、食堂に入れば風紀委員長だからと黄色い悲鳴が聞こえるが(北条だから)今日は悲鳴を上げないし俺に気づいていない
皆騒ぎの一点を見つめている
近くの生徒に何だと聞けば
どもりながら「まり…転入生が…」と答えた
瞬時に理解し、騒ぎの原因である集団に怒気を孕ませた声で
「何をしている!」
と言葉を放った
その集団の中心にいる毬藻こと転入生は俺を見た途端「彩陽!!」と言い俺に勢いよく近づいてきた
「退け」と言おうとした時後ろから誰かに抱きしめられた
振り払おうとしたが強い力で抱きしめられたので代わりに声を掛けた
「皇…何をしているんだ」
「ん…分かったか」
と嬉しそうな笑い声が聞こえた
周りに目を走らせれば皆一様に驚愕の表情をしていた
驚いているのは会長が風紀委員長を抱きしめているからか、それを風紀委員長が振り払わないからか、はたまた両方かか
転入生は驚きながらも生徒たちより早く声を掛けてきた
「皇!なんで、彩陽に抱きついてんだよ!!
お、俺はお前になら
だ、抱きつかれてもいいぞ!!」
転入生がそう言った時
後ろから不穏な空気を感じた
「北条行くぞ」
「あ、あぁ」
ようやく他生徒も意識が戻ってきたのか小声で何か話し出している
ここからだと聞こえないが俺への悪口だろう
皇のような美形がいくら風紀委員長でも平凡な俺を抱きしめているのだから
(みんなもはや芸術並の美形な二人が並んでいる所が尊すぎて話し合っている)
「北条 なんか勘違いしているだろ」
「してないさ 俺とお前じゃ顔面偏差値の差がありすぎて悲しくなっただけだ」
そういったら少し心配な目で見られた
何故だ
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