雨宙ニ、君想フ

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僕は駆け出す 未断の鎖をなぎ払い  峻烈(しゅんれつ)な矢雨を背に受けて 僕は飛び立つ  黒鉄(くろがね)の残響 滂沱(ぼうだ)の音を翼に変えて 僕は(おのの)く  向日葵散る 鯨散る 積乱雲散る 散り散りの狭間の中 僕は遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)す 銀竹雷鳴頭上に(どよ)めき 雨と稲妻が瞬き 暗黒の闇に曙光(しょこう)がさす
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