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コンビニでの出会い
仕事帰り、いつもの電車に揺られる。あー、疲れたなぁ……なんて息を吐きながら、今日の夜ご飯どうしようか、と考える。
自炊はまぁまぁする方だけれど、今日は残業ですこぶる疲れたのでコンビニに頼ることにしようと改札を出たあたしは近所のコンビニへと夜道を歩いた。
何にも作る気がおきない。早く帰って早くお風呂に入ってビール飲みながらお腹をいっぱいにしてぐっすりと眠りたい。
いらっしゃいませー、という大学生っぽい店員君の怠そうな声を通りすぎ、一直線にお弁当コーナーへと向かったあたしはサラダとハンバーグ弁当を手に取った。
近くにあったカゴにそれを入れたあと、缶ビールを二本とチョコレートを追加してレジに向かう。
二つあるレジはどちらも支払い中だったので近い方に並んだのだけれど、なかなか順番が回ってこない。前に並んでいたのはひとりのはずだ。
何故だろうと弄っていたスマホから顔を上げると、目の前には黒髪の男の人の後ろ姿があった。その体格や雰囲気から若い人だと思われる。
何やらポケットを一生懸命にまさぐりながら、「ちょっと待ってね。あと百円……」と呟いていてその向こうの店員さんはひたすらに苦笑いしている。
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