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プロローグ:クラス替え
春休みが終わり、最初の登校日。始業式がある日は、毎年どことなくソワソワしている自分がいた。
僕が通っている中学校は、1学年でクラスが4つある。約150人近い生徒たちが、毎年バラバラになってクラスを形成していた。そんなクラス替えの結果が昇降口に張り出されているこの日、僕はいつもより少しだけ早く家を出た。
「おっ、来た来たっ! おっせーよ、彼方! 待ちくたびれて先に行っちまうところだったぜ!」
「颯斗……ってことは、またお前と同じクラス?」
「おうおう、そんなにオレと同じクラスなのが嬉しいか? さすがオレの親友だな!」
「別に僕はそんなんじゃ……って、もう少しゆっくり見ても良いだろ」
乗ってきた自転車を自転車置き場に置いて昇降口へ向かうと、小学校からずっと同じクラスだった三浦颯斗が待っていた。颯斗は嬉しそうに僕の肩を掴むと、嬉しそうに僕を引きずるようにして昇降口の中へと入っていく。
昇降口の前に張り出されていたクラス発表の大きな紙の周りには、まだまだたくさんの生徒たちがいた。後輩である2年生の姿もあれば、今年で最後の中学校生活となる3年生たちの姿もあった。
「今年は夏樹も同じクラスだぜ! あいつは先に教室に行って待ってるって言ってたな」
「夏樹も同じなのか。まあ、知り合いが多い分には良いけどさ」
日下部夏樹も、僕と一緒に絡むことが多い友人だった。1年のときは3人全員が同じクラスだったけど、2年のときは夏樹だけが違うクラスになっていた。どことなく中性的な容姿と性格をしているけど、学年問わず不特定多数の女子から人気があった。部活はパソコン部らしいが、ほとんど顔を出してはいないらしい。性格はどことなく掴めない雰囲気を纏っていると、個人的に思う。
夏樹とは対照的に、颯斗はサッカー部という運動バリバリの部活に所属していて、ポジションはゴールキーパーをしている。熱血タイプのキャプテンで、多少暑苦しくなるときもある。その分、至って性格は素直で分かりやすく、友達想いの部分も多く見られていた。
「今年1年、卒業まで良い年になりそうだな!」
「僕はお前のポジティブなところを見習いたいよ。新しいクラスって、何か緊張するからな……」
人前に出ることを苦としないタイプの颯斗と違い、あまり人と接することが苦手な僕は、新たなクラスを前にして少なからず緊張してしまっていた。
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