うれし泣き

窓ガラスにバチバチと雨粒が当たる音がした。
夕立だ。
日向子は窓際に立って庭のヒマワリを眺めた。
雨粒に当たって大きな葉が揺れている。
「お母ちゃん、元気そうやなぁ」
雲に覆われた空を見上げてつぶやいた。

日向子は雨が好きだった。
雨が降っているときは、お母ちゃんがすぐ側に来てくれるような気がするから。
夏の暑い日、突然の夕立にヒマワリも喜んでるみたいだ。
何しろこのヒマワリは、お母ちゃんが育てていたヒマワリの子孫なのだから。