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雨が止んで、もう一度十字架にお祈りした。
「さあ、お母ちゃんも一緒に帰ろうかね」
「え?どうやって連れて帰るの?」
「どないもせんでもお母ちゃんはあんたのそばについてくるんやないか?」
日向子は思わず周りを見回した。
何も見えなかった。誰もいなかった。
けど、お母ちゃんが側にいるような気もした。
帰りの電車の中で「お母ちゃんのお墓、また行ける?」と聞いた。
「お骨はお墓のなかやけど、お母ちゃんはいつでもあんたのそばにおる。家で写真に向かってお祈りしたら、お母ちゃんはちゃんと聞いてくれてるのやからな。話しかけたりお祈りする気持ちが一番だいじなんやで」
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