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堂々巡りをしているうちに俺は眠ってしまったらしい。
何時ころだったかは分からない。
ふっと、冷気がはいってきて、
かち、と音がして蛍光灯が消えた。
一瞬、常夜灯の中にゆり子の立ちあがった姿が見えた。
両脇を頭の上で止めた、少し乱れた長い髪、
カーディガン、
折れ目がはっきりついたスカート。
「向こうで寝てください」
と言ったつもりだったが、夢のなかだったんだろうか。
ゆり子は髪止めを外し、カーディガンを脱いだ。
薄手のブラウスのボタンを1つはずして
俺の隣に横になるとぴったり体をくっつけ
毛布を引き上げる。
温かい。
肌の柔らかさが今度はぬくもりといっしょに
はっきり伝わってくる。
結局俺はこの人に操られているのか-
母親の添い寝のような感じがしてまた少し
腹立たしくなってくるが眠気が先にきて、
ゆり子がすぐに立て始めた寝息を聴きながら
再び寝入ってしまった。
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