許されざる者

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 偶々FXの為替レートを見ていたらドル円が急落したから、これは何かとんでもないことが起きたに違いないと思っていると、FX取引画面のニュース欄に、「安倍元首相、街頭演説中に血を流して倒れる」と表示されたので、それでか!とピンと来た。それから何時間後にあれの訃報が耳目に飛び込んで来たが、それを受け、あれの死を悼み、悔やみの言葉を述べ、あれを美化または絶賛する者は、政官財の右翼の徒や無知蒙昧の徒やあれを陰で操るバイデン&ジャパンハンドラーズの面々であろう。  僕は今まであれについて色々批判的に書いて来たが、あれのことを知れば知る程、蛇蝎視すべき白眼視すべき、唾棄すべき見下げ果てた卑劣漢だと分かるから、あれのことを良く言う奴は糞だと思う。事実、あれは例えば、森友問題に於いて国会で118回嘘をつく等知る人ぞ知る大噓つきで外交で何も成果を挙げられず、公私混同、行政の私物化、失政を事にし、日本を色んな面でどうしようもない程、駄目にした上、数々の疑獄事件を起こした万死に値する大罪人であるから史上最悪の首相と言っても過言でないのだ。  然るに、あれは日本人としては体格が良く背があるから海外へ行っても見劣りしないし、筋金入りのポピュリストだから街頭演説するにも物腰が柔らかく腰が低く巧言令色でレトリックの限りを尽くして衆愚に好感を持たれやすく謂わば、羊の皮を被った古狸で政治に暗い一般庶民の心を容易に掴むことが出来、そこらのおにいちゃんやおじちゃんやおねえちゃんやおばちゃんらは元首相で見た目が立派というだけで偉いとのバイアスがかかり、一々尊敬の眼差しを向け、あれの言うことに耳を傾け、何度も頷きながら納得する。  それにつけても事実は小説より奇なりで偶々長野へ遊説に行く予定が急遽、奈良へ変更されたのが運の尽きで選りによって容疑者の住まいから程近い所で街頭演説をすることになって容疑者はあれを前から殺すつもりだったとのことで、あれの動静をインターネットで知って手製銃を用意して現場にやって来て、あれを暗殺したって訳だから、あれも数奇な運命に遭ったものだ。しかしまあ、SPや県連のスタッフは何をしていたんだか・・・彼らもあれの所為で駄目になったものか、それなら自業自得だ。何しろあれは2015年、ジャーナリストの伊藤詩織さんに対する準強姦罪の容疑で自分とずぶずぶの仲だった元TBSワシントン支局長の山口敬之に出された逮捕状を自分に忖度して執行直前に握り潰した中村格(当時警視庁刑事部長)を優遇し、2019年参院選での1・5億円広島買収事件に於いて河井夫妻に公選法違反を犯させ、自分は政治資金提供の関与を問われ、おまけに取り半疑惑を持たれたが、広島地検と共に捜査を進めようとした広島県警を自分に忖度して捜査から降ろさせた中村格(当時警察庁次長)を警察庁長官に就任させる後押しをしたのだから警察も駄目になる訳だ。確かに、「安倍さんの個人的な批判をするものではないが、自民党の長期政権が社会をゆがめ、格差を拡大し、国民の政治不信を招いた。その政治不信の中から過激な者が銃撃暗殺に走った」と小沢一郎氏が述べているように自業自得に変わりはない。  何より僕が明確に知りたいのは容疑者の凶行に至った動機が義憤なのか、それとも私憤なのかということだ。彼は今の所、当初は宗教団体幹部が狙いだったとか、特定の団体に恨みがあり、安部が繋がりがあると思い犯行に及んだとか、まるで接点のないようなことを供述しているみたいだが、特定の団体とはつまり自民党のことなのか。だとすれば、僕はあれが自民党の大派閥の領袖である限り日本は良くならないと思っていたから義憤と取ることが出来、彼を兄弟よと呼びたくなる気持ちも正直あるが、よくよく調べた所、どうも特定の団体とは統一教会と言って文鮮明が1954年に設立した右翼系宗教法人とのことで本部は韓国にあり、日本支部はあれの祖父であり元首相の岸信介邸宅に隣接していたというのだから二人は切っても切れない関係にあり、二人が協力して結成した勝共連合は反共主義でウルトラ右翼団体だし、あれが会長を務めた清和会は岸信介が1955年に結成した自民党の派閥だから統一教会とも勝共連合とも密接な関係にあり、殊にあれは有益な集票組織とも成り得る統一教会の広告塔になるなど統一教会と深く関係を持ち、統一教会の霊感商法を悪徳商法と目する警察から守るべく統一教会の守護神ともなったから容疑者は自分の母が統一教会に入信し、多額の寄付をしたり霊感商法に嵌ったりして破産し、自分もその煽りを食って大学に行けなくなったりして家庭が滅茶苦茶になった、その恨みを晴らすべくあれを死のターゲットとした訳だ。成程、そういう事情があるから自民党は臭い物に蓋をするべく特定の団体とマスコミに言わせていた訳だが、これじゃあ私憤だから兄弟とは呼べないか、政治的な主張や言論を封殺する為でもないが、ま、どんな理由があるにせよ、言論の自由と民主主義を破壊する暴挙だ!許されることではないと自民党の人間が自分たちの罪を棚に上げて言うように無論、殺人はいけないことだ。しかし、あれは生かしておけば、決して日本の為にならないのであって逮捕されて然るべきなのに同じ穴の狢である中村格を警察庁長官に任命した廉で逮捕されない儘、実際問題、自らの政策によって言論の自由と民主主義を破壊した上、アメリカの犬となって国を挙げて暴挙出来るよう推し進めていたようなものだから結局の所、許されざる者だったのだ。然るに暗殺後、或るオヤジはSPに取り押さえられた容疑者に向かってこう叫んだという。 「国の宝に何すんねん!」  僕はこの記事を読んだ途端、シニカルに失笑し、何が国の宝だ!よくもそんなことが言えるな!お前は赤木俊夫さんを始めあれのお陰でどれだけの人が犠牲になったと思ってるんだ!あれはどんなにこの国を貧しくしたと思ってるんだ!ほんとに何も知らない大馬鹿野郎だなと呆れ返りながら瞋恚の情を掻き立てられた。しかし、実際に犯行を目の当たりにしたら流石にあれに対し、ざまあ見ろとは思えなかっただろうが、その場合、敢えて心を鬼にして確かにあれは大罪人だったのだから報いを受けて当然だと思わなければならないのである。それをだ、あれが亡くなったことを残念に思う、そりゃあ数々の疑獄事件があれを追究する場を永遠に失って迷宮入りしてしまったことを残念に思うなら分かるが、まるであれを英雄のように祭り上げ、国立競技場でもバレーボール会場でも選手全員と観客が態々あれに黙祷をささげたというのだから全く以て呆れて二の句が告げん。  あれの死に対するSNSの書き込みやマスコミの反応を見ても死んだ人を悪く言えず儀礼的に褒め称えるという事もあるが、功罪の功の方が全くないと言って良い位なのにあるかのように言い立て自民党に同情票が集まる作用を齎すことばかりで件のオヤジレベルと言って間違いない。本当に何処まで馬鹿なんだ、この国は。抑止力とか安全保障とか国防とか言いながら軍拡して近隣諸国を挑発して近隣諸国との関係をこれだけキナ臭くした張本人はあれであるのに、また今の深刻な景気後退、経済不況を齎した、貧富の二極化、非正規雇用拡大、円安輸入インフレ、平均賃金下落、デフレとインフレの悪いとこ取りのスタグフレーションはアベノミクスの付けが回ってのことなのに堕ちる所まで堕ちるしかないのか、この国は・・・はぁ、深く嘆息措く能わず。  僕は心底思うんだが、銃撃現場に献花し合掌する連中の心は、一見美しいようだが、その実、阿呆同然なのだ。どうせ献花するなら赤木さんの霊前でしろと僕は言いたい。何となれば、赤木さんは官僚の鏡と言える人物だったが、あれと来たら政治家の風上にも置けない野郎だったからだ。と言いたいところだが、政治家自体があれの所為で以前にも増して腐敗し、官僚も腐敗してしまったからなあ。全くどうしようもない奴で、あれはアメリカの傀儡として中国を挑発する以外では選挙の時だけ演説のみならず根回しや裏工作に一生懸命励んだものだが、政治家として本当に本当に無能で駄目な駄目な奴だった。しかし、長い物には巻かれろの精神と上辺で判断する精神を併せ持つ俗物どもを祖父と大叔父と親の七✖七✖七光りや持ち前の笑顔で以て惹きつけられたから、あれの追悼式は功績無く罪過ばかりなのに嘸かし壮大な国葬として挙げられることだろう。国民から絞り取った税金を食い物にし貪ったあれに相応しく莫大な税金をかけて・・・          
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