戻って来てくれたんだね

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何かサーサーという音を意識の遠くで感じた。 雨音は意識がだんだん鮮明になり、目が覚めて来るにつれて「あっ…雨?」と独り言を言った。 半身だけ起こして、ブルーのカーテンを引いた。 本当はピンクのカーテンが良かったのだが、明らかに女子が住んでいるとわかるのは良くないと何かの本に書いてあったのを思い出して、ブルーにしたカーテン。 やっぱり雨か… 雨音の住んでいる家の一段下がった所は畑になっていた。 グリーンのトンネルが見える。 これは何の野菜なんだろう? そんなことも知らない。 ボーっと見ていると、そのグリーンのトンネルからカッパを着たおじさんとおばさんが何かを収穫して、手押し車を押しながら出て来るのが見えた。 雨なのにお仕事なんだ…あれ?おじさんと目が合った。 すると、おじさんが手招きをしている。 おいでおいでという手招きだ。 雨音は、誰に手招きしているのかわからず、キョロキョロしてしまった。 自分しかいないと思ったもののまだパジャマ姿だ。 もしかしたら寝ぐせなんかもついちゃってるかも…。 でも急いで行かなきゃと思った。
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