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雨音は急いでTシャツとジーンズに着替えてビニール傘を持って走り出した。
下の畑のグリーンのトンネルはキュウリがぶら下がっていた。
「おはようございます」
と、雨音が言うと
おじさんもおばさんもニコニコして「お姉さん、あそこの施設に新しく入った人?」
そう聞かれたので、うなずくと社長さんと知り合いだと話してくれた。
「俺たちは中村って言います。よろしくね。良かったら野菜を持って行って食べてくださいよ」
雨音はこの土地に来て初めて誰かに優しくしてもらった。
知り合いが出来たと思うと嬉しくて嬉しくて笑顔になった。
おばさんが名前を聞いて来たので「松本雨音です。宜しくお願いします」
そう言うと、それを聞いた瞬間おじさんもおばさんも顔を見合わせて黙ってしまわれた。
雨音はなんだろう?と思ったけれども意味がわからなかった。
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