1.温風至 (おんぷういたる)

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1.温風至 (おんぷういたる)

なぎさ:温風じゃないよぉ。熱風だよぉ。 わたし:まあ、温風ヒーターが吹き始めると思えば…… なぎさ:うああ! それキツイな!  わたし:じゃあ、恒例の小暑を各句に置いて詠もう! この間行った国立博物館の写真から。 b3dba668-858f-480d-a3ab-084de74fc63f  小暑の池淀みて雲の影もなし なぎさ:ホントか? 雲映ってんじゃないの? 74fe819d-0d1c-4835-9e79-ee2371b8146b わたし:ま、そこは芸術的真実ってことで。 なぎさ:反論する気にもならないです。じゃあ、あたしは中の句ね。 82e1e079-015c-415a-a46e-c8883bc04fff  面なじみ小暑となりて返信す 水着買うってしたかったんだけど、季重なりだし、あざといかなと。 わたし:だね。じゃあ、下の句を。 107cf222-823b-43df-9ef2-fd80261b07c6  土をこね絵付け焼きたる小暑かな なぎさ:これ織部だよね。あたしだって知ってるし、わかる。……そっかぁ、土をこねるところからの感触・感覚を見る人に共感させてくる焼きものなんだ。 わたし:そう。古田織部は別に奇を衒ったわけじゃなく、ぼくはおもしろく作ったんだよって伝えようとしたんだ。 13269735-afd6-49c9-8e61-7cebf0b4c822 なぎさ:これは織部かどうか忘れたけど、いいよねー。 わたし:なぜいいの? どこがいいの? なぎさ:わかんない。でも、目が惹きつけられた。 0fcb65b4-a319-44ae-a7e8-3d383774d714 わたし:これはすごい。……彫刻は頭を上下させながら一周しなきゃいけない。というか、そういう楽しみがあるよね。 26feabf2-26b1-4ff3-802d-5d554c67956e  音楽の聞こえる木彫り夏盛ん
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