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そこに、1人の青年がいた。
彼は橋の中央で川に身を乗り出していた。
そして落ちていこうとした。その腕を引き止めた手があった。それは、1人の少女だった。彼女は、言った。
『死にたいの?死ぬの?なんで?』
青年は、少し怒ったのだろうか、手を握りしめた。
『あぁ。死ぬ。生きる理由が分からない、誰にも愛されない俺が生きる理由がないから。』
そう言ってまた落ちていこうとする。
少女は、負けじと話を続けた。
『悲しむ人がいるよ。』
青年は、ハァ?っと声をあげた。が少女は、続けた。
『神様はね、人間を2人1組で作るの。意味わかる?2人1組、、、あなたじゃない方は、女の子であなたの運命の人なんだよ。あなたが死んだらその子は運命の人に出会えないまま、一生を過ごすの。』
訳の分からないことを言い出した。が青年は、心を打たれた。言っていることなじゃない。この少女が青年を自分を救おうとしていることに心打たれた。それだけ、青年の自殺の決心は、薄かったのだろうか。彼は、少女の手を掴んだ。
手を掴まれた彼女は、少し驚きながらも話を続けた。
『わかった?あなたが死ぬ事で世界一可哀想な一人の女の子ができるんだよ。約束して、もう死のうとしないで。』
彼女は言い終わると掴まれていない方の手を彼の頬に置いた。彼は笑いながら言った。
『よくわかんないけど、ありがとう。元気でたよ。君は、僕の命を救ったんだね。』
ハァ?っと言う顔をしながら彼女は少し嬉しそうだった。
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