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佐玖は首を傾げて苦笑いした。
「わかるようなわからないような……だな。阿希良は何タイプ?」
「たぶん風かな」
「あ……確かに。それはわかる気がする」
佐玖は少し考えてから、納得したように答えた。
「バランスというか中途半端とも言えるよな。シュートは強いってよく言われるけど、パック運ぶのはイマイチだし守りも苦手ではないけどパッとしない」
「だからバランスタイプなんじゃないの」
気がつけば佐玖がまた笑っている。
「雷タイプってゆーのも攻撃だけって感じでオレ的にはイマイチだけど」
「いやいや、違う。違うんだよなー。これってさ、他のチームスポーツでもある気がする。バスケ部の友達の試合を見に行ったことあるんだけど、ポイントガードには雷タイプが多く見えた。でもガードって司令塔だからオフェンスしかできないやつはまずなれない。そんでたぶん、サッカーとかラグビーとかにも、雷タイプはありそうな気がする」
「気がする?」
「気がする」
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー」
佐玖は俺が話している間、ずっとにやにやして話を聞いていた。結局そのままどうでもいい話をしているうちに、親が勝手に迎えに来て二人の時間に終止符は打たれた。
その後、合同練習や試合もなく、佐玖に会わないまま夏休みに入り北海道へ旅立った。
結局連絡先は交換していなかった。
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