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「恋人を作るのと同様に、親友になるには相手に告白する必要がある。」
この文化が流行り出したのはいつからだろう。
私はもうすぐ小学5年生になる。
私は親友が欲しかった。でも、私には親友なんてすぐに出来るって知っていた。なぜかって、私には友達が沢山いるから。前の家に住んでいるともかちゃんも、いつも一緒に学校に行くりさちゃんも、教室でよく話すひかるちゃんも、同じ部活のさゆりちゃんも、みんなみんな仲良し。
でも、それもそれで困ると思った。
みんなが私と親友になりたいって言ってきたらどうしよう。
私はみんなと親友になりたいけど、親友は普通一人だって、この前テレビで言ってた。
困ったな。
私はそんな事を一時間くらい考えていた。
でも、答えは出なかった。だから、一番初めに親友になろうって言ってくれた子と親友になろうと心に決めた。みんないつから親友を作るんだろう。私はまだ小学5年生だから関係ないけどね。
私は中学生になった。
そろそろ本当に親友が欲しくなった。私は前の家のともかちゃんに勇気を出して聞いてみた。
「ねぇねぇともかちゃんって親友いるの?」
そう聞くと、ともかちゃんは
「うん!今、隣の席の子!初めて話した時に運命感じちゃって、思い切って告白してくれたら、いいよ。って言ってくれたの!!」
と少し照れながら言った。私は、隣の席になったぐらいで親友にしちゃうの?と思ったけど、ともかちゃんがあまりにも嬉しそうだったから、ただ
「良かったね」
と言った。
私はともかちゃんみたいにすぐに決めないでゆっくり決めていこうと思った。
親友っていうのは一生ものの付き合いだから。
私は中学2年生になった。
私は今も一緒に学校に行っているりさちゃんにふと質問してみた。
「りさちゃんは親友どうした?」そう聞くと、「あ、私は幼馴染の、ゆかちゃんが親友になってくれたの!」とりさちゃんは答えた。
私は少し焦った。
みんな親友がいるの?
私は慌ててりさちゃんに聞いた。「親友っていつからいたの?」私がそう聞くとりさちゃんは少し考え込んで、「うーん、たしか、小学3年生の秋だったかな!ゆかちゃんが放課後、体育館裏に呼び出してくれて、そこで告白してくれたんだ!」と嬉しそうに答えた。私はみんなにそんなに早くから親友がいると知らなかった。私は慌てて他の子にも声をかけた。
でも、みんなとっくに親友なんて出来ていた。
みんな言わなかっただけで、ずっと昔から親友がいたんだ。私は誰からも声をかけられなかった。私が仲良いと思っていた友達には、もっともっと仲の良い別の友達がいたんだ。
私はそのことを知らなかった。
親友が欲しいと思ったあの日、誰かに声をかければ良かった。あの時行動していればきっとこんなことにはならなかった。後悔したってもう遅いのに。あーあ。
こんな時、話を聞いてくれる親友がいればいいのに。
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