2日目

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2日目

 水瀬は気が付くとベランダにいて、そこから部屋の中を見ていた。  テーブルの上には昨日と同じように、スマホが周りの音を録音していた。 「そうか。今日も録音してるんだった」  少し不思議に思いながら、水瀬は部屋に戻り録音を止めた。 「よし。なにか録れてるかな?」  再生をタップする。 『ザーーーーーーーーーーーーーーーーー』  最初、雨音以外聞こえなかった。しかし、2度3度聞き返すと、かすかにではあるが別の音が混ざっていた。  水瀬はスマホに耳を近づけ、その音を聞き取ろうとした。 『ザーーーー......ーーーーーーーーーー』  突然、水瀬はスマホから耳を遠ざけた。  聞こえた音が女性の悲鳴のように聞こえたからだった。  ドンッ!  いきなり押入れから大きな音がした。  水瀬はゆっくりと押入れの前に行き、中の音に耳をすませた。  しかし、水瀬の耳には雨の音が聞こえるだけで、押入れからは何も聞こえない。  水瀬は押入れを恐る恐る開けた。ギィと音がする。  押入れには何も入っていなかった。床も壁も天井も何かを叩いた跡もなく綺麗だった。 「なんだったんだ?」  そういって、水瀬は押入れをしっかりと閉めた。  夜、水瀬は視線を感じて起きた。  上体を起こし、部屋を見回すと押入れの扉が少しだけ開いていた。  水瀬には開けた記憶がなかった。  部屋の電気をつけ、押入れの扉を開けてみた。 「なんだ、これ」  押入れの床には、子供が座った後のような黒い染みができていた。  雨漏りかと思って天井を見てみたが、その形跡はない。  雑巾を持ってきて拭いてみたが、汚れは取れなかった。 「ま、いいか」  不気味に思いながらも、水瀬は押入れを閉め、また眠りについた。
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