Side-A

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生きていくのは面倒な事だ。 食べて、寝て、息をして 食べて、寝て、息をして その単純作業の繰り返し。 自分の場合、それに男たちの欲望を満たす仕事が加わる。ただそれだけの事。 ある裕福な家庭で育ったプラナ=アストゥムは15歳の時、親の仕事が上手く回らなくなり家庭が崩壊した。 中等部の宿泊カリキュラムから屋敷に戻ってきたプラナは、人も、家具も、その他もろもろ全て無くなった屋敷を見て呆然と立ち尽くした。 一家全員が夜逃げ。 おかしいとは思っていた。 家計が火の車なのは知っていた。 なのに金の掛かる宿泊カリキュラムに無理矢理行かされたのが。 後で聞いた話だが、カリキュラムの金も「後で払うから」と支払われてなかったそうだ。 普通の子供なら為すすべもなく立ち尽くすか 家族を探しにいくかするのだろうが、自分にはそれがなかった。 ああ、居なくなったか。 そう思っただけだった。 プラナは、物心ついた時には既に人間としての感情が欠落していた。 父親の愛人の娘…。 家族の中で、唯一誰にも似ずに無愛想な末妹。 そんなプラナが家庭に溶け込めるはずもなく、家庭崩壊と共に廃屋となった屋敷に打ち棄てられたのだ。
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