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ある時、急に男の消息が途絶えた。
どうやらあの変わった男は『ギルド』と呼ばれる組織の幹部だったらしいが、擬態獣に殺されたらしい。
また金を得る手段が無くなった。
あれだけ男に利用されていたプラナだったが、そう思っただけであった。
男の手渡す奉仕金でなんとか食いつないでいたプラナは、再び金を得る手段を探す事となる。
…だが、現実は酷なものだ。
あの男以外の男はプラナを軽蔑し、役立たずと罵るのみで金すら渡してくれない。
もう、この世界にも私は必要とされないのだろう。
プラナは再び居場所を失った。
生きていくのは本当に面倒な事だ。
いっその事、死んでみるか?
だが自殺する用意をするのが面倒だし、何より痛いのが厭だ。
誰か…通り魔でも擬態獣でもなんでもいい。
自分を楽に殺してくれないだろうか。
そんな都合のいい思想に耽っているプラナの瞳に、街の広告板が目に入る。
そこには「擬態獣」という脅威を打ち倒す戦士を広く募集する…といった内容の広告が掲げられていた。
擬態獣は知っている。
どこからともなく突然現れ、人を捕食する怪物。
…怪物と戦うなら、楽に死ねるかもしれない。
ただ己の死に場所を求めプラナはギルドへと歩みを進めることとなる。
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